編集余話

日付: 2024年05月15日 04時47分

 国民が政治に参加し、主権者としてその意思を国政に反映する最も重要かつ基本的な機会が選挙だ。民主主義の根幹をなす制度といえる▼前回の米国大統領選挙の際、SNSを通じて不正選挙疑惑の動画が世界中に拡散された。韓国でも同様に、4年前の総選挙以降、選挙のたびに不正疑惑が提起されている▼開票機やファーウェイ製の通信機器、郵便投票と期日前投票に使われたQRコード、電算プログラムの操作など、さまざまな疑惑が取りざたされている。だが、韓国の選挙管理委員会はこれまで「憲法上の独立機構」であることを主張し、設立からおよそ60年間、外部の捜査を拒否してきた▼だが先月末、韓国の中央選挙管理委員会と各地の選挙管理委員会が過去10年間に291回行った公務員の中途採用の「全て」で、不正や規定違反があったことが、監査院の調査によって明らかになった。点数の操作、公告を出さず特定の志願者のみを受け付け、存在しないポストの創作など、摘発された採用不正は約1200件に達した▼監査の過程で組織的な妨害と遅延が行われた。選管は不正採用の手口が書かれたファイルを改ざんし、文書を破棄するなどして証拠隠滅を図った。そのため昨年7月に開始された監査は、発表まで約9カ月という時間を要した▼選管は「すべての投票用紙は安全で透明に保管・管理されている。投票用紙の違法投入疑惑は全く事実ではない」と不正選挙疑惑を否定。だが、果たしてこのような選管を信用できるだろうか。


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