尹錫悦大統領が憲法上の地位までをも捨てたように、「重大犯罪人」の李在明に命を乞う姿を国内外にさらけ出した。尹大統領が、総選挙敗北のショックの中、李在明党の代表に提案した取引の内幕が暴露されたのだ。2人の会合(4月29日)からわずか8日後、尹大統領の就任2周年記者会見(9日)の2日前の暴露だった。まるで連立政権を取引するかのように、尹大統領は李在明側に、自分を保護してくれれば、総理推薦権を与え、大統領秘書室長をはじめ、李在明が次期大統領になるうえで負担となる与党の有力者らを除去(無力化)するなどを提案したという。尹大統領はもはや「裸の王様」のようになった。30日から始まる次期国会議長は、尹大統領の「天敵」と言える秋美愛元法務長官に決まった。
尹錫悦大統領は憲法が付与した一切の責務、権限、権威を放棄し、自身が「重大犯罪人」と称した李在明に命を乞うた姿を国内外に見せた。
総選挙の結果を見た尹大統領は、ひたすら自分の保身へと走った。憲法上の責務を宣誓した大統領という自覚などまったくなかったようだ。
尹大統領は、憲法が命令する責務を放棄してきた。
彼は先月の総選挙(4月10日)でも確認された不正選挙の数多くの証拠を黙殺、過去10余年間の選管委が犯した1200件余りの膨大な採用不正を監査院が発表(4月30日)したのに、尹大統領は何も知らないふりをしている。
今回の総選挙での途方もない選挙不正は、中央選官委が発表したデータ自体が不正を立証している。
統計学が物語る不正の諸証拠はさておき、総投票数が総人口より多い行政洞が79カ所もある図表を堂々とそのまま公開している。常識ある社会ではあり得ない事態だ。
選管委の選挙不正や採用不正など不法に対する捜査責任はすべて尹錫悦政権にある。だが、尹大統領は、不正には向き合わず、依然として「医大入学定員」の拡大などに執着し、権力を動員して強行している。
偏向報道や検閲で世論をミスリードしてきた朝鮮・中央・東亜日報などの巨大メディアらはすべてを無視・黙殺しているが、不正選挙捜査要求を超え、尹大統領退陣を要求するデモが左右を問わず拡大・爆発点に向かっている。
李在明は尹大統領の提案に当然、応じなかった。尹大統領が就任2周年記者会見をした9日から1週間入院した李代表は、尹大統領を信じられないのはもちろんのこと、自分に被されている「司法リスク」から解放されるには尹大統領を無条件迅速に無力化、除去(弾劾)せねばならないからだ。
李在明と曺国などは次期大統領選挙(3年後)まで待てず、尹政権を終わらせたい構えだ。
李在明党と「祖国革新党」は国会で刑事訴訟法と検察庁法を改正し、検察の直接捜査権の適用分野を6大犯罪(腐敗・経済・公職者・選挙・防衛事業・大型惨事)から、2大犯罪(経済・腐敗)に縮小した。
ところが、尹錫悦政権が法務部の施行令改正をもって検察の捜査権を事実上原状復旧させたため、李在明党と祖国革新党は今回の総選挙で「捜査・起訴分離法案」や検察庁廃止及び公訴庁設置法・重大犯罪捜査庁設置法・刑事訴訟法改正案など「検察改革3法」などを検察改革公約として掲げた。
尹大統領に対し「従北人士からブランドバッグを貰った金建希夫人を捜査しろ」との世論の圧迫が強くなったが、任期を4カ月残した検察総長が、金建希夫人捜査方針を表明するや7日、大統領就任のとき自らが廃止した「民情首席室」を復活させた。
金建希夫人捜査を指揮した宋庚鎬ソウル地検長は、金女史に高級バッグを渡した崔牧師を検察が召喚調査した13日、釜山高検長に移動した。
今月30日に始まる次期国会の議長に、秋美愛元法務長官が李在明によって事実上決まった。個人的にも尹大統領と悪い縁の秋次期国会議長は、李在明の次期政権への動きに積極協力すると予想される。
一方、「国民の力」は今回の「尹・李の裏取引」の公開で、尹大統領を支持も、保護もできない状況に陥った。
「検察カルテル」など尹大統領の一部側近を除けば、「国民の力」党員の多数はすでに尹錫悦を同じ党と考えていないためだ。全てが自業自得だ。「5・16革命」が根だった「国民の力」が自ら5・16革命を否定する「5・18精神」に投降し、その奴隷になったからだ。