先の総選挙で勝利した「共に民主党」の暴走が続いている。反国家的活動を行った者まで受給対象となり得る「民主有功者法」を単独で国会本会議にかけたのをはじめ、「国会常任委員長を投票で選出しよう」と提言し常任委員会の独占を謀っている。さらには、係争中の党代表に対する裁判までも妨害している。李在明代表の「私物」と化した巨大野党は、三権分立の原則をも破り、司法妨害まで試みている。この現状に対し与党・国民の力はなすすべもなく手をこまねいている。
(ソウル=李民晧)
民主有功者法は、警察官7人の命を奪った釜山東義大学事件、裁判で反国家団体との判決を受けた南民戦(南朝鮮民族解放戦線)事件、全教組(全国教職員労働組合)関連のデモ参加者などを民主有功者として審査し、補償金などの受給対象にしようという法律だ。
この法律は、従来の民主化補償法を改正し、当事者をはじめ、その親と子までをも支援するとの内容が含まれている。これまで政府は、いわゆる民主有功者に1169億ウォンの補償金を支給してきた。
一般の国家有功者は、官民合同の報勲審査委員会が資格の有無を審査・決議し、厳格な検証を行っている。しかし、民主有功対象者においては、名簿や功績の内容は「個人情報」という理由で秘匿されてしまう。審議における明確な規定すらない状態だ。このような法律を作ろうとする理由は、自分たちの利得のための自己優遇法を策定したいからだ。1980年代の学生運動の参加者や、主体思想派に国家有功者の称号を与え、国の税金による支援を受けようとしている。こうした共に民主党の暴走に対し、与党である国民の力は手をこまねいて傍観している。
李在明擁護のため司法妨害も
4月18日、共に民主党の議員と議員に当選した30人余りがソウル瑞草洞の大検察庁を訪れた。
彼らは李代表の側近である李華泳・元京畿道副知事が検察に「供述を操作された」と主張し、検察の監査を要求した。李元副知事は「検察が庁舎内に酒席を設け、そこで自分を説得しようとした」と主張したが、検察の番記者が記事化を拒否するほど荒唐無稽な主張だった。これに対し検察は反論として具体的な証拠を提出した。
ところが、李在明代表の一言が状況を一変させた。李華泳元副知事の主張に対し「100%事実」(4月4日)と述べた後、党内に特別対策班を設置し、李代表の違法な北韓への送金事件を捜査する担当検事を弾劾するべきとの主張が出された。
一人を生かすため、露骨な「司法妨害」までも企む姿は、共に民主党が「李在明の私物」と化していると言っても過言ではない。
今回の総選挙で、文在寅政権時代の秘書室長の任鍾晳氏や多数の親文在寅派をはじめ、李在明代表の政敵である李洛淵・元首相までもが落選してしまった。党内で同氏を牽制する勢力が急激に縮小されてしまったのだ。
今後も、共に民主党は李在明代表の擁護を続けるだろう。彼らは李代表に関する各事件の捜査と裁判に対し、全面的に圧力をかけるべきだと信じている。
司法・立法・行政が独立している三権分立の国で、立法府が司法の領域を侵し、意のままに操ろうとしてる状況だ。
城南市の不正不動産開発事件や、北韓への800万ドルの違法送金問題など、各事件で一つでも有罪判決を受ければ、李代表は被選挙権を失い、大統領選挙に出馬しこの国のトップになるという野望もついえる可能性がある。
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李在明・共に民主党代表が4月23日、ソウル地裁で開かれた本人関連裁判に出席している