17日、駐日韓国大使館と韓国国税庁の主催で「在日納税者のための税務説明会」を開催、関係者約40人が会場に集まった。大使館の呉朱喜・国税官が進行を務めた。
当日は、在日同胞にとって手続きが容易ではない、家族や親族が本国で保有する財産の売買などで発生する税金の種類やその要件、具体的な手続き方法について、来日した国税庁職員らが講演を行った。
まず、金俊鎬・不動産納税課/行政事務官が「大韓民国の譲渡所得税」と題して講演。在日韓国人は韓日いずれの税法も理解しておかなければ、仮に不動産の価値が上がった時点での売却を考えた場合でも、優位には進められなくなると強調。譲渡にかかる税金の基準や、受けられる控除の範囲、また所得に応じた課税・非課税の認定など、図表を交えて参加者に分かりやすく説明した。
次に、羅東一・相続贈与税課/国税調査官が「韓国の相続・贈与税」と題して講演。知っている人は問題ないが、知らない人が不申告によるペナルティーを課されてしまうことが多いと指摘。
例えば、日本に住む家族同士の間であっても韓国にある不動産を贈与する場合には韓国の国税庁に申告をしなければならない。また、父親の財産を子ではなく孫に当たる人物が相続する場合には30%の追徴税を受けるなど、あらかじめ知っておくべき事案が少なくないという。
最後に、金珉・国税租税担当官室/国外税源管理チーム長が「個人居住者の判定基準」と題して講演。韓国の税法上、183日以上韓国に滞在し、家族の職業・資産が韓国と深く関係しているのであれば居住者と認定を受ける場合もあるため、注意が必要としている。基本的に証明責任は納税者にあるため、明確に一時滞在であることを証明できる各種の書類をそろえておくことが重要という。
説明会では扱いきれなかった個々人で事情が異なる税に関する事案について、個別に職員らと相談できる時間が会終了後に設けられていた。
参加者らの理解を意識しながら講演した羅東一・国税調査官