130万9931票。今回の総選挙における比例代表の投票で生じた無効票の数だ。無効票は全体の4・4%に達した。議席数にすると3議席に相当し、得票順で考えると与党(国民の力)、野党(共に民主党・祖国党)に次ぐ議席数を確保できる数字だ▼なぜここまで無効票の数が増えたのだろうか。少数政党の割合を増やそうとの趣旨で、4年前の総選挙前、準連動型比例代表制が導入された。同制度での議席獲得を目指した衛星政党が乱立し、有権者が混乱したのが原因との分析が出ている▼今回の選挙では、実に38政党が候補者を擁立した。投票用紙は51・7センチの厚さになった。そのうち1%以上の得票があったのは7政党のみで、21政党は得票率が0・1%に満たなかった▼尹錫悦大統領は、さまざまな問題提起がなされている選挙制度や、選挙管理問題から目を背けてきた。巨大野党が牛耳る国会で、選挙改革を行うのは難しいことだろう。今回の選挙の敗北で、それはさらに難しいものとなった。未来の韓国を考えたとき、一つの敗北ではすまされない、そんな分岐点になる選挙だったかもしれない▼無効票の問題とは別に、またもや選挙に不正があったとの疑惑も提起されている。これは今回の選挙に限らず、韓国の選挙ではもはや「通例」となってしまった▼選挙の信頼性が損なわれることは、民主主義の根幹を揺るがすものである。こうしたことが繰り返されることのないよう、自由民主主義という価値観を守る勢力の奮起を期待したい。