尹錫悦審判か、不正選挙か

「比例代表政党投票は無効」訴訟へ
日付: 2024年04月16日 11時56分

 10日に開票された韓国第22代総選挙は、尹錫悦大統領に絶望的な状況をもたらした。与党惨敗、野党圧勝が強調されるが、それを受け入れ、承服するわけにはいかない。常識と科学(統計学)を全否定する事実と数多くの証拠があふれているからだ。この混乱は、権力の正当性を見せなかった尹大統領と、超法規的な専横と不法を恣行してきた選管委、「21世紀の文化革命」を煽動した李在明・曺国、そして情報操作による既得権に執着するメディアなどの合作だ。世界は文明史の特異点を通り、国際秩序が大きく変化している。そうしたなか、尹大統領は大韓民国を漂流させた責任を免れない。

 選挙管理委員会と政界、多数メディアなどが総選挙結果を既成事実化しているが、今回の「4・10総選挙」も4年前「4・15総選挙」の不正・不法が再演された。まず、選官委は総投票者の半分近くが参加した事前投票者名簿を作るのも、事後の投票者名簿さえ公開しない。選管委は事前投票者に300万票ほどの幽霊有権者を水増ししていると疑われている。法に明記された最低限の措置事前投票用紙への投票管理官の私印押印をついに拒否した。
選管委は過去4年間、選管委の不正と不法と疑惑などを具体的に指摘、告発した数多くの動画、冊子、証拠・主張などに対し、ただ一つも名誉毀損など告訴、告発しなかった。選管委と大法院は、彼らの不正・不法などを国民に周知させるこれら自由市民を陰湿に弾圧するだけ、なぜ正式告訴、告発をしないのか。
自由市民たちは憲法と常識と科学を信じ、腐敗し堕落した邪悪な権力と戦ってきた。自由市民が戦いを放棄すれば、大韓民国の自由民主体制は終わる。
今回の総選挙が不正選挙とされるのは、総投票者が総有権者の67・0%の2966万2313人、このうち事前投票者が1384万9043人、つまり総投票者のなんと46・69%を占める。要するに、事前投票者と当日投票者が46・7対53・3と事実上半分ずつとなった。この膨大な規模の母集団の投票行動が、当日投票では与党が圧倒的に勝利(写真の左)し、事前投票では野党(李在明党)が圧倒的に勝利したことを信じろという。2000万人以上の母集団を半分にした投票で、このように異なる結果が出るのは統計学的に不可能だ。さらに、ソウル・京畿道・釜山・仁川・大田など人口密集地域のすべての洞単位の事前投票で李在明党が1454対0で勝利したのは、共産党独裁の選挙のみであり得る。
自由統一党が、比例代表投票用紙と投票箱の証拠保全申請と選挙無効訴訟を提起する。比例代表政党投票は全国が単一選挙区なので、比例代表投票で不正が確認されると今回の総選挙は無効となる。
中央選管委によると、今回の総選挙の比例代表政党投票数は2834万4519票で、「国民の未来」(与党)が1039万5264票(36・67%、18議席)、「民主連合」(李在明党)が756万7459票(26・69%、14議席)、「祖国革新党」が687万4278票(24・25%、12議席)、無効表が130万9931票(4・4%)、「改革新党」が102万5775票(3・61%、2議席)、「自由統一党」2・26%、「緑色正義党」2・1%、他は2%未満という。
自由統一党側によると、比例代表制が初めて施行された2004年から歴代総選挙政党投票の無効率は17代総選挙(04年)が1・4%、18代総選挙(08年)1・6%、19代総選挙(12年)2・2%、20代総選挙(16年)は2・7%に増えてきたが、全国的不正選挙が発覚した21代総選挙(20年)4・2%、今回の22代総選挙で4・4%と激増した。
今回の総選挙で与党は次世代を継ぐ人材発掘も放棄するなど支離滅裂、多くの重鎮を失った。尹錫悦と韓東勳は保守・右派を徹底排除するなど裏切った。尹大統領に人心一身の刷新を期待するのが難しく、与党(国民の力)の再整備も期待し難い。不正選挙を正せないと、尹大統領の統治力を消尽する。
野党は十分な輸血に成功した。文在寅は李在明の妨害と牽制を克服し政治の一線に復帰した。文在寅は「李在明との同盟」から「曺国との同盟」に変えた。圧倒的議席を確保した野党内では今後の主導権掌握の闘争があるだろうが、尹大統領への復讐心を共有、尹大統領の無力化、退陣闘争では一つになる。李明博・朴槿惠大統領は存在感が完全に消え、すべての政治的資産と可能性を失った。
今回も韓国総選挙に介入した国外勢力がある。集団西方に対抗した史上最強のロシア・中国連帯が、韓米日連帯を圧倒している。ロ・中・北韓に要人訪問が活発化した。プーチン大統領が中国と北韓を訪問する予定だ。NATOが中国牽制を強調するが、米・ドイツ・フランスなどが中国と関係発展を模索するなど、国際外交の軸が中国に集中している。
大統領選挙を控え、イスラエルのネタニヤフ政権まで放棄する構えのバイデン大統領が、尹大統領のいない日米首脳会談で日・北接触を歓迎、条件なしで金正恩と対話を提案する。韓半島の状況が激変するなか、韓国は漂流している。

 

 


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