中東に戦雲、世界大戦の引き金に

西欧はなぜNATO拡張に走るか
日付: 2024年04月09日 12時03分

 イスラエルが1日、シリアのダマスカス駐在イラン領事館をミサイルで攻撃、シリア駐屯イラン・クズド軍司令官ムハンマド・レザ・ジャヘディ(イラン革命守備隊副司令官)など高位将校7人などを殺害した。クズド軍司令官は、中東でイスラエルに抵抗するすべての武装勢力を指揮する最高位指揮官だ。米国によって暗殺されたソレイマニー以来、最も重要な人物だ。特に外交公館に対する攻撃は領土に対する攻撃で、明らかな戦争行為だ。
これまで可能な限り直接衝突を自制してきたイランとイスラエルが激突するしかない状況へと変化した。ハマスやヒズボラとの戦争を解決するためネタニヤフ首相が挑発したのだ。イスラエルは予備軍を召集し、戦闘部隊の休暇を取り消し、中止した。
イランはイスラエルに報復を誓い、ラマダンが終われば同じ方法、それ以上に報復をするはずだ。米国にはイスラエルを支援しないよう警告した。米国はイランにそうしないと約束した。しかし、米国はイスラエルへの支援を続けている。
米メディアは、イスラエルがイランを攻撃したまさにその日(1日)、米議会がイスラエルへの米国産F15戦闘機50機の販売をまもなく承認すると報道した。バイデン政府は今年1月、ネタニヤフ政権にF15戦爆機50機販売を上・下院外交委員会に非公式に通報したという。これはハマス・イスラエル戦争後の米国の最大規模の海外武器販売だ。
イスラエルのガザ地区に対する無差別攻撃は、3万7000人以上の死亡者を出したと言われ、国際社会で決定的に孤立している。国連安保理での4番目のガザ休戦案(ラマダン期間1カ月間)の表決(3月25日)は、賛成14、反対0、棄権1(米国)で可決した。米国が初めて棄権。米国はイスラエルのガザ地区南部地上戦をめぐる葛藤や民間人の被害にも、イスラエルに対する武器販売など軍事的支援は止めない。
ネタニヤフはこの米国の立場を悪用、イスラエルが周辺国に対して軍事力の優位を維持している現状況で、建国以来追求してきた領土拡張(イスラエル)を通じ中東秩序を根本的に変えようとする。それでイスラエル軍が無謀な作戦をしている。
しかし、イスラエルは事情が複雑だ。イスラエルは経済状況からも長期戦はできないため焦り、軍の士気も落ち、国家の未来への確信を持てず、イスラエルを去る人口も急増している。建国以来、最も孤立し分裂している。
西欧の影響力が決定的に低下している中、中小諸国も自主的声を出している。西欧と西欧の支援を受ける国々と、西欧中心秩序から抜け出そうとする国家が衝動するしかない。
この状況でアントニー・ブリンケン米国務長官が4日、NATO創設75周年の外務長官会談後、ウクライナがNATOの加盟国になるだろうと述べた。正確な時期は明らかにせず、NATOのウクライナ支援も確定しなかった。ウクライナ戦争でロシアに敗北した西欧(NATO)は、面子のため何らかの方法でロシアとの戦争を続けるつもりだ。
西欧のNATO拡張労力は尋常でない。日本と韓国を引き込もうとするのを越え、南米のアルゼンチンなどまで接触を拡大している。


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