選挙を装った政変、第6共和国の終焉か

「民主化勢力」は社会主義革命勢力
日付: 2024年04月09日 11時54分

 政治は一寸先が暗闇と言われるが、4月10日投開票の第22代韓国総選挙は韓国政治地形を革命的に変えるだろう。選挙に取り組む左・右陣営や各党の姿勢と雰囲気は著しく違った。尹錫悦の与党は、ポピュリズム政策だけを乱発し、悪材料や突発状況への対応すら支離滅裂だった。与党内から尹大統領の離党を要求する声も出た。汎左派の選挙対策機構を稼働した李在明党と対照的だった。韓東勳は、総選挙ではなく、自身の大統領選挙を行っているようだという批判が上がった。与党が勝利すれば、政局に大きな変化はないだろうが、尹錫悦大統領を弾劾し世の中を変えると気勢を上げる李在明と曺国が勝てば、改憲を含め、革命的変化を覚悟せねばならない。スターリンは「選挙は投票ではなく開票が結果を決める」と言った。今回の選挙結果は尹大統領の運命はもちろん、米中対決にも大きな影響を及ぼすことになる。

 

 李在明党(共に民主党)の総選挙状況室長の金民錫の発言は、総選挙結果によっては政界に暴風が吹きつけることを暗示している。金民錫は3日、事前投票率31・3%、最終投票率71・3%を目標値として提示、「投票所に行って投票してこそ世の中が変わる」と言った。世の中が変わるというのは、おそらく尹大統領弾劾と改憲が可能な200議席を獲得したいということだ。弾劾と改憲は、尹錫悦政権発足直後から民主党が明言してきた目標だ。
ところで、選管委が発表した事前投票率は不可思議にも31・28%だ。李在明党は200議席獲得目標をすでに半分達成したのか。共に民主党は4年前も目標の180議席を決めてこれを達成する神技を見せた。
左翼は、すべての事前投票は当然彼らが勝つと考え行動する。計画(目標)通りに事前投票率を達成した。彼らの世の中を変える目的は達成されるように映る。事前投票で「左翼野党の圧勝公式」を常数化するためには、事前投票で必ず圧勝する装置が必要だ。そしてこのためには、選管委との緊密な連携作戦が不可欠だ。そして緊密な連携作戦=不正選挙だ。
事前投票が行われた2日(5・6日)の間、全国の投票所では常識的に理解できないことが起きた。投票参観人たちが目で確認し数えた投票者数より、選管委のコンピュータに記録される投票者数が全国的に多く現れたのだ。甚だしくは、選管委の投票者数が40%程度多かったという。投票参観人がこれを指摘し証拠を確保しようとすると、選管委はCCTVを覆い隠すのをはじめ、極力妨害した。尹錫悦政権のどの国家機関も動かなかった。まるで野党に圧倒的勝利を与えようとしたようだ。
選管委は、投票箱の確認に警察が入ることも拒否した。今回の総選挙の事前投票者は1384万人余りで4年前の総選挙より210万人増えた。4年前のように「事戦投票の共に民主党圧勝公式」が稼働すれば、李在明と曺国の念願の200議席の確保は実現する。
今回の総選挙の事前投票は致命的に汚染された。まず、選管委が投票参観人の投票参観と投票過程の違法事項確認や検証要求などを拒否、封鎖したため、今回の事前投票はすでに適法性を喪失した。食堂で注文した食べ物を盛り込んだ食器が汚れ、飲料水に毒が混ざるとその水は飲めない。決定的に汚染された投票は無効と宣言されねばならない。
尹大統領は、過去4年間、不正選挙と戦ってきた愛国右派が証拠を提示しながら選管委の調査(捜査)要求を徹底に黙殺した。さらに、事前投票の公正さを確保する最低限の装置である事前投票紙に投票管理官の私印を押印する問題は、押印ではなく印刷を主張する選管委に尹大統領と韓東勳が屈服し政府が選挙法を守護しなかった。なのに、尹大統領は6日、釜山に行って事前投票をした。事前投票は不可避な事情がある場合を配慮して作られた制度だ。尹大統領などは公休日の10日、居住地で投票できない特別な事由でもあるか。
今回の総選挙で最大の異変は曺国(曺国革新党)の突風だ。世論調査では比例代表で第1党になる可能性もあるという。では曺国は何者なのか。曺国は社会主義者だ。彼は社労盟(南韓社会主義労働者同盟、1989年結成、91年、安企部が摘発)という非合法革命組織でイデオローグとして活動、懲役1年執行猶予2年が確定した。
曺国は、文在寅政権で青瓦台の民情首席として朴槿恵政権や右派粛清を指揮、2018年6月の地方選挙の時、社会主義憲法で改憲国民投票を同時に推進したが、技術的問題で断念した。もし曺国が「世論調査」通り圧倒すれば、今回の総選挙を通じ政治の一線に復帰した文在寅と一緒に尹大統領弾劾と改憲を進める。
左翼政権の積廃を放置して尹錫悦政権のつけだ。


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