319日。
サッカー韓国代表のミッドフィルダー(MF)、ソン・ジュノ選手が中国で拘留され、韓国に帰国するまでに要した時間だ。ソン選手は10カ月間、身を裂かれるようなつらい日々を過ごした。
昨年5月、上海の虹橋空港で帰国便を待っていたソン選手はサッカーの試合に関する八百長疑惑で中国公安に連行された。
中国は、ソン選手が八百長に加担し、違法なカネを受け取ったと見て取り調べを行ったが、容疑を立証することはできなかった。
拘束期間中、ソン選手に対する韓国政府のサポートも不十分だったとされている。領事の接見は許可されたものの、中国側は治外法権を理由に具体的な容疑についてまったく示されることはなかった。これは「ウィーン条約」に抵触する。
有罪判決を受けた場合、最低5年以上の懲役刑が下されるため、今回の帰国はソン選手が無罪だったことを示している。
ソン選手は釈放後、1週間ほど中国に滞在して帰国を待っていたが、この間は家族にも自身の状況を知らせなかったという。再び捕まることを恐れていたのだろう。
韓国人が「危険な国」として認識し始めた中国。
そんな中国から事業を撤退させる企業が相次いでいる。北京で20年以上にわたり事業を続けてきたある実業家も、中国が反スパイ法(防諜法)を施行したことに伴い、事業を整理して帰国した。
中国内の外国人留学生数も激減している。
2019年に17万2571人だった外国人留学生の数が、20年には8万9751人に急減。中国は23年の統計をまだ公表していないが、20年の人数を超えることはないものと見られている。現在、在中韓国人留学生は1万5000人で、17年(7万3000人)に比べて80%急減した。
(ソウル=李民晧)