米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が、「シンドローム」と呼ばれるほど韓国で大歓迎を受けた。「大谷一人で韓日間の歴史的な悪感情までも払拭した」と言われるほどだ。
初となるMLBのソウルシリーズで、人々の耳目は大谷に集中した。観客席は背番号17番が入ったドジャースのユニフォームを着た韓国ファンであふれかえった。1枚23万ウォン(約2万5000円)のユニフォームは販売開始から2時間で完売した。
大谷が日本人であるにもかかわらず韓国で人気を集めている理由は、彼の人柄の良さにある。20日、ソウルの高尺ドームで行われたMLB開幕戦では、それを証明するかのようなシーンが展開された。3回表、盗塁に成功した大谷翔平(LAドジャース)が2塁守備に入ったキム・ハソン(サンディエゴ・パドレス)に向かって「アンニョンハセヨ」と挨拶をすると、キム・ハソンも笑顔で「こんにちは」と答えた。
今回のソウルシリーズで大谷は、個人のSNSに太極旗をアップし、ハングルで「韓国は最も好きな国の一つ」とのメッセージを発信したり、報道陣に対しても「こんにちは」「愛しています」などと韓国語で挨拶した。
大谷は韓国で「六角形人間」という愛称で親しまれている。六角形のようにすべての面で完璧な人間、という意味だ。もともと六角形のレーダーグラフは、選手の走塁、打率、パワーなど、各項目のステータスを図式化するために考案されたものだ。韓国ではこれを利用し、外見・性格・学歴・職業・資産・家柄など六つの指標で人を評価するほか、若者の間では遊びの一つにもなっている。誠実さ、実力、謙虚さ、財産、容姿などを兼ね備えたと評価されている大谷。ソウルを訪れた彼に、韓国の人々は惜しみなく称賛の拍手を送った。
20日、ソウルで開かれたMLB開幕戦で挨拶を交わす大谷(左)とキム・ハソン