4.10総選挙 与野党決め手なく 情勢は混沌

カギ握るソウル48選挙区
日付: 2024年03月26日 11時41分

 「4・10総選挙」で最大の注目ポイントは、与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」のどちらが第1党の座を手中に収めるのか、という点だ。接戦が続く中、直近の世論調査では、民主党に追い風が吹いていることが判明した。

(ソウル=李民晧)

 各社の世論調査を分析してみると、両党の激戦地とされる選挙区で「国民の力」が劣勢に置かれていることがわかった。ソウルの選挙区では、鍾路、中区、城東甲、広津、西大門、麻浦乙、衿川で民主党候補がリードしている。
京畿と仁川も同様の状況だ。11日から19日にかけて、24の選挙区で行われた世論調査の結果を踏まえると、17選挙区で民主党候補が優勢であることが判明した。国民の力の安哲秀議員が出馬する京畿道盆唐甲などの7選挙区は、誤差の範囲内で接戦が繰り広げられている。
「国民の力」の本拠地である釜山・蔚山・慶尚道も6選挙区において誤差範囲内の接戦が展開されていることがわかった。「尹錫悦大統領の故郷」と目される忠清地域では「国民の力」がリードしていたが、最近では接戦、または民主党が優勢な選挙区が増えている状況だ。「国民の力」と「共に民主党」が優勢となっている選挙区は2選挙区と7選挙区で、接戦状態にあるのは公州・扶余・清陽など8選挙区となった。

世論の流れ分析

最近の世論の流れについて、「国民の力」の鄭永煥公認管理委員長は22日、「(予想議席数が)153議席~170議席になるはずだ」と語った。一部では100議席を確保することも難しいとの見方があるという記者の指摘に対しては、「1週間前の話題が原因で、一時的な現象にすぎない。いずれ再び盛り返し、必ず(過半数を)占めるはずだ」と述べた。「国民の力」は、近日中に再び世論が上昇曲線を描き、自党が勝つと断言している。
一方の「共に民主党」は接戦を予想している。同日、金富謙共同常任選挙対策委員長は「序盤よりも少し上向いたのは事実だが、まだ韓国の政治的勢力図そのものは50対50で拮抗している。与党が全国的に大きくリードしていたが、駐豪大使関連のハプニングで政権審判論に火がついた」と述べた。民主党のこうした反応は、「有権者に対し腰が低い姿勢を示す」という「戦略的判断」によるものとの見方がある。

勝敗のカギはソウル?

一方、最大の激戦地であるソウルの情勢は「共に民主党」に有利な流れだ。国民の力による独自の分析でも、ソウル48選挙区のうち、優勢が見込まれているのは江南、瑞草、松坡圏域の10選挙区だけだ。また、劣勢と互角が予想される選挙区はそれぞれ20カ所、18カ所となった。「共に民主党」による情勢分析では、32選挙区で自党候補が優勢であると見ている。
2月まで「国民の力」に軍配が上がっていた世論は現在、「共に民主党」に逆転した。残り2週間で「国民の力」が再び支持を取り戻すのか、有権者の選択が注目される。

 

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