戦争へ向かって走る西欧

NATO以降を狙った欧州の合従連衡
日付: 2024年03月26日 11時36分

 NATOがウクライナ戦争でロシアに勝つ可能性がなくなったことで、西欧の分裂、葛藤が表面化している。NATOへのフィンランドとスウェーデンの加入はロシアを刺激した。西欧主要諸国はロシアとの和解より、戦争準備と動員態勢を扇動、戦争に向かって走っている。大統領選挙を控えた米国は、ウクライナ支援予算600億ドルの通過を要求するバイデン大統領と、これを阻止する連邦下院(共和党)が対立している。ゼレンスキーは、西欧の援助が止まるやロシア領土侵攻、精油工場攻撃など行った。フランスのマクロン大統領は、NATO軍のウクライナへの派兵を主張、モルドバと安保協定を結ぶなどロシアとの戦争のリーダーを自認する。西欧が平和的共存を望まないことを確認したロシアは、世界大戦を覚悟。そういったなかで起こったモスクワ公演場テロ(22日)はロシア国民を団結させた。これらの動きは韓国への影響も大きく、注視が必要だ。

 

 22日、モスクワのクロッカスシティホールの大型公演場で無差別銃撃テロが発生、137人以上が死亡、120人以上が負傷した。ロシア当局は、ウクライナへ逃走中の実行犯4人を含め、関連者11人を逮捕した。
事件直後から米国と西欧は調査結果が発表されるのを待たず、ウクライナの関与可能性を否定した。
各国は約束したように、テロの背後がウクライナではなくイスラム過激派組織イスラム国(IS)という主張をした。ISも犯行声明を出したが、逮捕された犯人たちは、誰か知らない者から50万ルーブルを受けることでテロを実行したと述べたという。今回のテロをウクライナによるものと見る専門家も多い。
資金を受け取ってテロを行うのは今までのISのやり方と異なる。モスクワ駐在の米大使館が自国民に公演場など人の多い所に行かないようにと告知した日(3月7日)、今回のテロ犯らが犯行場所のクロッカスシティホール公演場に現れ現場を見ていた状況が偶然、撮影された。
米国は自国と無関係だと主張したが、仮にテロ犯がISと関連があるとしても、ISがCIAなどの指示・支援を受ける事実は、もはや秘密ではない。
ロシアは24日を国家追悼日とし、テロの背後に対する報復を誓った。いずれにしてもゼレンスキーが関与していたかなど今後、背後は明らかになるだろう。
外部からの支援中断で、戦闘はもちろん、軍人と公務員の給料も支払えないウクライナが、防空網が破壊、枯渇した状態で、ロシアの報復が始まると、戦線の全面崩壊も避けられない。ロシアは空軍機を動員しキーウやラビブなどを爆撃した。
NATOはウクライナ戦争処理に苦労している。ロシアとの平和共存は考えず、依然としてロシア包囲圧迫を追求している。
米国はルーマニアにヨーロッパ最大の基地建設を推進する。モルドバに前進基地を作るフランスを見ながら、ドイツもポーランドなどと軍備再建同盟を結んでいる。
プーチン大統領は今回の選挙を通じてロシア国民の圧倒的支持を確認することで、ウクライナ戦争を拡大しようとする西欧に対し強く対することが可能となった。
金正恩はプーチン大統領当選に祝電を送るなど親密な関係を誇示している。
韓国政府は、プーチン大統領の5期目の連任成功に沈黙した。
外交部の代弁人は、質問に対し、「ロシアの最近の選挙への言及は控えたいと思う。韓ロ両国は相互関係を管理しようとする共同の意志を持っていると思う」と答えた。
韓国外交部は、モスクワ公演場のテロについては、「韓国政府はモスクワクロッカスシティホール公演場で発生した恐ろしいテロ攻撃の犠牲者と家族に深い哀悼を表し、ロシア国民と悲しみを共にする。迅速な調査を通じてこの事件の背後が明らかになることを期待する」との代弁人声明を発表した。
IOCは19日、パリオリンピックに出場できるロシア選手の最大人数は55人、ベラルーシは28人に制限すると発表した。両国の参加者は中立状態で個々のイベントにのみ出場可能で、開幕式には参加できない。
クレムリンのミトリー広報担当者は、オリンピックの理想を破壊し、選手たちの利益を差別することだと叱責した。


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