先月20日、青丘学院つくば中学校・高等学校は「三・一節記念弁論大会」を開催。同校では光復節と三・一節を記念した取り組みを例年行っているが、今回の弁論大会で韓国語・日本語・英語を駆使してスピーチ発表が行われた。
毎年、外部から招いているゲストスピーカーとして小川晴久・東京大学名誉教授が登壇、「三・一独立万歳運動と詩3篇」と題し特別講演を行った。学生と保護者、教職員らを合わせ約60人が聴講した。
時間の関係で当日はほとんど紹介できなかったという三つの詩とは、(1)李相和「奪われた野にも春は来るか」(2)韓龍雲「あなたを見ました」(3)沈薫「その日がくれば」で、いずれも日本の植民地支配に抵抗した朝鮮知識人の矜持を表したものだ。
小川名誉教授は講演の中で、2・8独立宣言と3・1独立宣言の性格の違いに言及。2・8宣言では国号に「韓国」と「朝鮮」の両方が使われているのに対し(韓国が朝鮮の2倍)、3・1宣言は「朝鮮」のみを使用しているという。また、2・8宣言は「いかに日本が世界を欺いて植民地支配を行ったか」という視点からの表現が色濃く、「日本人こそ、2・8宣言の精神を胸に刻みつけて、毎年読み直さなければいけない」と語った。
青丘学院つくば中学校・高等学校の生徒の前で講演する小川晴久・東京大学名誉教授