アジア最大級の国際食品・飲料展示会「第49回FOODEX JAPAN 2024」が5~8日に東京ビッグサイトで開催。世界各国から約2800社が出展、8600以上の製品が紹介された。韓国コーナーにブースを構えた75社のうち、注目の製品を扱う関係者に話を聞いた。
日本市場の開拓後押し
東京ビッグサイトで5~8日、一般社団法人「日本能率協会」「日本ホテル協会」「日本旅館協会」「国際観光日本レストラン協会」・公益社団法人「国際観光施設協会」の主催で、「FOODEX JAPAN 2024」が開催。
国内外の約2800社・8600以上の製品がひしめく中、韓国パビリオンでは75社がブースを構え、日本市場に出回っていない製品などを紹介していた。
■冷食もハイクオリティー
京畿道南楊州市に拠点を置く永東シーフード(崔炳勲代表理事、2004年設立)は、本格的な韓国食品から一般的な副菜まで、電子レンジで手軽に調理できる多くの製品を紹介。試食で提供された韓国料理「チュクミポックム」(イイダコの辛味炒め)は、辛さとタコの旨みが堪能でき、冷凍食品と思えない完成度の高さで、来場者の関心を誘っていた。
日本向けの輸出は昨年に開始したばかりであるが、イカ・魚肉の製造方法で特許登録を済ませた2014年以降、17年の豪州への輸出を皮切りに、米国・マレーシア・ニュージーランド・ベトナム・中国など各国に輸出しているという。
■焼酎もオシャレさ前面に
忠清北道忠州市に拠点を置く多農バイオ(チャン・ユンジョン代表)は、多くの蒸留酒を展開。一見するとウイスキーのようなデザインのボトルが来場者の目を引いていた。
韓国の淡水魚であるカルムチ(雷魚)からインスピレーションを得て名付けられたブランド名「カムチ」を冠した製品は、それぞれ「香り・味・後味」を異にしていて、チョコやバニラ、ドライフルーツやキャラメルの風味を体感できる。
■課題としての日本市場
韓国でポップコーンを展開しているJ&Nの孫明勲次長は、海外輸出があまり進んでいない自社製品の展開について悩みを語った。「一部日本でも商品展開しているブランドもあるが、韓国で一般展開している製品を前面に売り出していけないことに課題を感じる」ともどかしさを語る。
日本での韓国食品の動向に詳しい吉村剛史さんは、「ハングル表記やデザイン性のある包装で目を引く商品が増えているが、今や韓国食品がありふれ、類似商品も数多いなかで、展示会に参加するような中小企業の商品が浸透するには時間を要するだろう」とし、新規参入が実際には容易ではない日本市場の傾向について話している。
注目を集める韓国食品が会場で多く紹介されていたが、日本市場にそれらの製品が並ぶまでには時間を要するかもしれない。各企業の展開した魅力的な新製品を体験するために、韓国に足を運ぶという選択肢もあるのかもしれない。
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慶尚南道から出展した10社は韓国パビリオンとは別ホールで製品を紹介、多くの来場者が訪れた(慶尚南道東京事務所提供)
(写真左)マッコリ王のソン・サンヒョン氏。多農バイオと業務提携し、島根県雲南産の生マッコリ製品を展開