大韓民国の建国史341

金大中を前に出した平壌側と反国勢力の政治工作
日付: 2024年02月29日 12時47分

 金大中にはすでに米日の強力な後援勢力、特に日本のメディアの絶対支持ができていた。メディアに左右される、あるいはメディアを利用する政治家たちが金大中の後援者となった。金大中を議長として擁立した韓民統(韓国民主回復統一促進国民会日本本部)はその後、名称を在日韓国民主統一連合(韓統連、1989年)に変える。
だが、韓民統を反国家団体として判示した韓国の大法院は、名称を変えた韓統連も反国家団体と判示した。韓国では法的に反国家団体であることが明確に維持されていたが、日本社会では多くの人々が、韓統連を「民主化運動団体」として認識し、後援した。日本社会、特にメディアが、韓国の司法部が反国家団体と判示した組織を「民主化運動団体」と捉えた最大の背景は、韓統連などが金大中支持を標榜したからだ。
韓統連(韓民統)のアイデンティティーは後に、機関紙の『民族時報』が自分たちの活動歴史を誇らしく総括した書物などからも立証される。以下の内容は、韓国・日本・米国などで活動してきたいわゆる「民主化勢力」が、平壌側の戦略・戦術および指令に従って動いてきた状況を、自らが白状した歴史的な記録なので、核心的な部分を紹介する。


 『民族時報』1983年から1993年の記録


「韓統連は1983年、朴正煕独裁政権との熾烈な闘争と光州市民を大虐殺して登場した全斗煥軍部集団との10年間の活動を総括した。韓民統は第12次中央委員会で米国の支配と干渉を排除しない限り、真の民主化も南北統一もあり得ないとの観点から、新しい5大綱領、(1)外勢の支配と干渉排除、民族自主権の回復(2)ファッショ独裁打倒、民主連合政府の樹立(3)分断固着化反対、外勢の干渉なき(連邦制による)自主的平和統一実現(4)反戦反核運動推進、韓半島の非核地帯化(5)在日同胞の民族的権益擁護を採択、反外勢の民族自主を救国運動の基本路線として定立した」
「反外勢の民族自主を課題の最優先に置くことで第2宣言はその後、韓国民衆運動の理念となる自主・民主・統一を最初に導入したことを意味した」
「韓統連は(1)外勢に反対し民族の自主権を勝ち取る(2)軍部独裁を清算し真の民主化に向けて活動する(3)自主的平和統一を実現する(4)反戦反核運動を推進し韓半島を非核地帯化する(5)在外同胞の民族的権利を擁護する(6)国際連帯運動を強化するという6つの綱領を発表した」
「チームスピリット韓米合同軍事訓練反対運動は10年間を通じての緊張した闘争だった。チームスピリットは1983年には19万人、84年からは20万人規模に増強、原子力空母、パトリオットミサイルを投入するなど毎年韓国全域で訓練を重ね、軍事緊張を高めた。これに対して韓民統は単独集会とデモ、韓日連帯集会などを組織し強く反対した」


 『民族時報』1993年から2003年の記録


「この期間に非常に重要な問題の一つが北米関係だ。1994年、米国は対北圧迫政策を強化、第2の韓国戦争も辞さないと脅し、戦争勃発の危機を造成することで、その好戦性の本性を全世界に余すことなく表わした。
北・米はその年ジュネーブ基本合意をなし(1)2003年まで200万キロワットの軽水炉発電所を建設(2)この間、毎年50万トンの重油を供給(3)米国は北に対して核兵器を使用せず、脅威も与えないなどを約束した。北米関係は関係正常化に向け大きく進展した」
(つづく)


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