北韓版ジハード(聖戦)テロ

統一研究院セミナーで指摘
日付: 2024年02月20日 12時30分

 南北関係を「戦争中の交戦国」と定義づけた北韓が、韓国内の同調勢力を扇動し「北韓版ジハード(聖戦)」テロを起こす可能性があるとの警告が出された。
統一研究院の趙漢凡研究委員は14日、同院が主催したフォーラム「北韓の対南路線転換に関する評価及び対策案」の中で、「北韓は主体を不明瞭としたまま軍事的疲労感を最大化させる『グレーゾーン戦略』による挑発を行う可能性がある」と述べ、北韓版ジハード型テロの発生を懸念した。
「グレーゾーン戦略(GrayZoneTactics)」による挑発とは、挑発の主体や発信元が不明瞭でありながら軍事的疲労感を高めるための挑発で、正規軍ではなく民兵や民間の武装漁船などを利用したゲリラ戦略を指す。
趙研究委員は「南派のスパイなど、韓国内に潜む北韓同調勢力を戦闘要員へと転換させ、『北韓版ジハード』の形でテロを試みる可能性がある。さらにはその原因を尹錫悦政府の対北強硬策に転嫁することも考えられる」と指摘した。
同研究院の鄭盛允研究室長は、北韓が核を使用する可能性について警告した。鄭室長は「北韓が先制的に核を使用する可能性も否定できない。韓国の原発施設にテロを仕掛け、『原発の欠陥による事故』だと主張し報復を避けようとすることも考えられる」と予想した。
同研究院の呉庚燮室長は、「韓国内の一部の親北勢力が北韓の2国家論と武力統一論に同調している。北韓は国内のスパイネットワークと地下政党を利用して親北団体と団体員を管理し、総選挙においては尹政権の打倒に向けた活動を展開していくだろう」と予想した。
(ソウル=李民晧)

2017年4月15日、北韓軍閲兵式に登場した北韓特殊部隊員たち


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