編集余話

日付: 2024年02月20日 12時21分

 民団中央3機関長(団長、議長、監察委員長)選挙の開票が28日に行われ、新3機関長が選出される。現在の民団の混乱は、2021年の中央団長選での任泰洙氏の経歴詐称疑惑を発端として始まった。任氏の立候補が取り消され、呂健二氏が単独候補となり、開票は行われなかった▼当時の選挙管理委員会は、任氏サイドが出す釈明は虚偽であり、同氏に投票した有権者は虚偽の情報に騙されたことになるため、立候補登録を取り消したとした。その後、任氏を支持する陣営が選挙のやり直しを要求して、「正常化委員会」を発足。同委員会解散後も「臨時大会を求める会」などに形を変えて対立が激化、その溝は埋まるどころか深まっていった▼議長に立候補している任氏は22年10月、呂健二団長ほか前選管委などを相手取り、4億4870万円の損害賠償請求を起こした。「民団内で生じた問題は日本の司法の場に持ち込まない」という規約運用の見解統一に抵触するのではとの指摘もある。立候補資格があるのかという疑問も持ち上がる。そもそも現民団団長らに対して訴訟を起こしている当事者が出馬するのは前代未聞のことだ▼選管は損害賠償請求取り下げを条件に立候補資格を認定したが、取り下げ手続きは定期中央大会の翌日と、まったく意味をなさない。任氏は”規約違反の状態”のまま開票の日を迎える。妥協しない両陣営が”政治的決着”を図ったともいえるが、意味をなさない形だけの合意は民団員を馬鹿にした行為で、さらに混迷が深まった。


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