野党が「準連動型」悪用

政党乱立で投票用紙80センチに
日付: 2024年02月14日 10時29分

 4月10日に行われる第22代国会議員総選挙の投票用紙の長さが80センチメートルに達する見通しだ。中央選挙管理委員会に登録された政党は50、登録準備中の政党は11で、計61党に上る。80センチメートルというのは、これらの政党名をすべて記載した場合に推定される投票用紙の長さで今後、政党が追加されればさらに長くなる可能性がある。4年前の総選挙における長さ48・1センチメートルをはるかに上回る形となり、世界の選挙史上でも類のない長さだ。
ここまで政党が乱立している要因としては、2019年に国会で可決された選挙法「準連動型比例代表制」の影響が大きい。同法は、巨大政党による比例代表議席の占有を阻止するという狙いにより制定されたものだ。しかし、巨大政党が1議席でも多く議席を確保するために衛星政党を立ち上げたことで法の趣旨が形骸化してしまった。
準連動型は、小選挙区の議席数が政党得票率より少ない場合、不足した議席数の50%を比例代表で補う方式で、小政党からも議員を輩出することができる。しかし、昨年の総選挙で未来統合党(現・国民の力)は未来韓国党を、民主党は共に民主党と開かれた民主党を作り、比例代表候補を立てたことで利を得た。
今回の総選挙も同様だ。野党第1党の共に民主党は、現行の準連動型の維持と野党衛星政党の創設を党論として採択した。満場一致の賛成の下で彼らが掲げた主張は「自称民主改革選挙連合を組織し、尹錫悦政権を審判する」というものだ。院内過半数の議席(164議席)を占める巨大政党の決定により、衛星政党は今後さらに増えるものとみられる。
これに対し、与党「国民の力」は「李在明が利を得るための選挙制度」と批判した。韓東勲・非常対策委員長も「比例代表制でゲリマンダリング(特定の政党が恣意的に選挙区を区割りすること)を行うのは初めてだ」と指摘した。国民の力は、並立型比例代表制への回帰を主張してきた。並立型は、小選挙区の議席数にこだわらず、比例代表の47議席を政党得票率どおりに配分する方式だ。要するに、政党の得票数に比例して比例代表議員を分けあう方式だ。
しかし、多数党である民主党が準連動型を固守すると決定した以上、議席数で劣る国民の力はこれを覆すことはできない。共に民主党は自らを利するために、自らが制定した法律までをも悪用する。
(ソウル=李民晧)

第21代国会議員総選挙時の投票用紙


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