北側が南北交流関連法を全て破棄

対応に追われる韓国内の従北勢力
日付: 2024年02月14日 10時18分

 ウクライナ戦争などで米国が主導してきた対北制裁が無力化した状況を利用し、平壌側(金正恩)は、韓国に対する圧迫を強化している。尹錫悦政府が国際秩序の再編に適応、対応できないのとは対照的だ。潜水艦発射戦略巡航ミサイル(火矢331型)発射指導(先月28日)など、戦争準備を先頭で指揮している金正恩は8日、朝鮮人民軍創建76周年を迎えた「建軍節」で、娘と一緒に国防省を訪問、軍事力で韓国を圧倒し、そして打倒することを再び強調した。核ミサイルの性能向上のための核実験も予想される。ウクライナ戦争がもたらした国際秩序激変の受益者となった金正恩を抑えるのが韓国の最重要課題となった。

 

 平壌側の報道によれば、金正恩は「韓国傀儡を、われわれの前途で最も危ない第一の敵対国家、不変の主敵に規定し、有事の際、奴らの領土を占領、平定するのを国是として決定したのは、わが国の永遠の安全と、将来の平和と安定のための千万妥当な措置」と言った。
金正恩は「われわれは、同族という修辞的表現のために、やむを得ず共和国政権の崩壊を図り、吸収統一を夢見る韓国傀儡たちとの形式的対話や協力などに努めなければならなかった非現実的な桎梏を、主動的に捨てた」「明々白々な敵対国と規定したことに基づき、いつでも壊滅させられる合法性を持って、もっと強力な軍事力を育て、超強硬対応態勢を維持しながら自主的な独立国家、社会主義国家としての尊厳を守り、周辺環境を国益に合うようもっと徹底的に治められる」と述べた。
そして「戦争はあらかじめ広告して行わないことを思い出そう。常に臨戦態勢を維持せねばならない」「敵がわが国に向かって武力を使用しようとすれば、歴史を変える勇断を下し、われわれのすべての超強な力を躊躇なく動員し決着をつける」と付け加えた。
一方、前日の7日に開かれた最高人民会議の常任委員会は、北南経済協力法、金剛山国際観光特区法とその施行規定、北南経済協力関連合意書の廃止案件を通した。同時に南北間で締結された経協関連合意書もすべて廃棄、南側と経済交流をしないという意志を明確にした。
平壌側としては住民が経済的、文化的、精神的に韓国になびいている状況を克服するためにも、対決と戦争を強調するしかない。
金正恩は先月17日、最高人民会議の施政演説を通じて「祖国統一3大憲章記念塔」の撤去を命じた。
「祖国統一3大憲章」とは、「祖国統一3大原則」(1972年の7・4南北共同声明)、「高麗連邦共和国案」(80年の労働党第6次党大会)、「全民族大団結10大綱領」(93年4月の最高人民会議で採択)を指す。
この記念塔は、金正日が父親の「遺訓」である「3大憲章」を称えるため建てた(2001年8月完工)。金正恩は「金日成王朝」の正統性の根源の「抗日革命」闘争より「第2の6・25」で同族滅絶を目論むのだ。
平壌側が年初から対南工作機構を廃止するや、金大中以来の韓国内の従北勢力は、総選挙政局の中、対応に追われている。北側の動きに一番先に同調したのは、ここ30年以上反国家活動をしてきた利敵団体の「汎民連(祖国統一汎民族連合)南側本部」だ。汎民連南側本部は、今週末の17日、解散総会と同時に新しい全国的反帝自主運動連合体の建設決議大会を開催するという。
汎民連は金日成の指導で北の祖国平和統一委員会(朝平統)と韓国の全国民族民主運動連合(全民連)が統一戦線を張るため作った組織だ。大法院は1997年、汎民連南側本部を利敵団体と判示した。
金大中の遺産の「6・15南側委員会」は、先月31日、第10期2次年度の定期共同代表会議(総会)を開き、今後の展望と組織改編問題などを協議、「南北関係が敵対関係に固着化し6・15民族共同委員会の一翼を担う6・15北側委員会が解消した状況で、運動と組織の展望を冷静に議論し表明すべき時期」「現局面と運動に対する厳正な省察を通じてこの変化を新たな転換と跳躍のきっかけにしたい」との反応だ。
ただし、南側委の参加団体が約400で、組織解消と新規結成など結論を出すには数カ月かかると見られる。
やはり金大中が作った「民族和解協力汎国民協議会」(民和協)は、組織を維持するという立場だ。
彼らは「北韓が統一という考えをなくしても、私たちの道を行く」として、平壌側がすでに南北基本合意書を破棄したのに、「南北基本合意書にある通り統一を目指す特殊関係を目指すべきだ」としている。


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