北、憲法改正で核攻撃を正当化

韓国内の従北・主思派は放棄しない
日付: 2024年01月23日 11時22分

 世界史的な国際秩序の変化の中で韓半島の分断体制も終わりに向かっているのか。金正恩は15日、平壌で開催された最高人民会議で戦時への備えを強調し、憲法改正を指示した。昨年末、労働党中央委第8期第9次全員会議の決定を執行する措置の一環だ。金正恩は「憲法」に「朝鮮半島で戦争が起こる場合には大韓民国を完全に占領、平定、修復し、共和国領域に編入させる問題を反映するよう」指示。核戦争を覚悟した措置に拍車をかけた。労働党日本支部も11日、社会科学者協会主催で労働党第8期第9次全員会議に関する研究討論会を行った。

 

 労働党日本支部の機関誌・朝鮮新報は、新年号の紙面の半分を党中央委第8期9次全員会議決定で埋めた。労働党媒体の報道によれば、平壌側が想定し、準備している「大事変」の正体は明確だ。崔善姫外務相は1日、対敵部門の働き手たちと協議会を開いた。翌日の2日、金与正が党副部長談話との形で、大韓民国大統領に送る新年メッセージを通じ尹錫悦大統領と文在寅を嘲弄した。党の対敵活動が機能しているのを見せた。
「朝鮮新報」19日付は、平壌で対南政策転換方針を貫徹するための対敵部門の働き手たちの決起(12日)があったと伝えた。決起では党中央委の統一戦線部をはじめ、対南事業部門の機構を整理、改編、根本的闘争原則と方向転換が議論されたという。
「党の尊厳死守」「国威の高揚」「国益守護の原則から、強国の地位に相応しい共和国の対敵闘争史を書くことに対する問題」「”政権崩壊”や”吸収統一”ばかり追求してきた”傀儡”は完全消滅すべき主敵という確固たる観点から統一政策を新たに確立、対南部門の闘争原則と方向を根本的に転換する問題」「南半部の全領土を平定しようとするわが軍隊の強力な軍事行動に歩調を合わせ”大事変”の準備を推進する問題」が強調されたという。
従来、南北関係改善と平和統一のための連帯機構として作った6・15共同宣言実践北側委員会、祖国統一汎民族連合北側本部、民族和解協議会、檀君民族統一協議会などを全部整理することに決めた。ただ、労働党組織のこの”reset宣言”には、南側や海外側組織についての言及がない。これは、主思派など韓国内の従北資産を放棄するわけにはいかないからだ。金正恩が金日成と金正日が作り残した組織を整理するのは、神聖不可侵だった領域を整理せねばならない、もっと大きな至上課題、「大事変」への準備という名分があるから可能だ。では、金正恩が打ち出した「大事変」とはどんな状況か。
その内容は、平壌で15日召集された最高人民会議での金正恩の演説・指示で再確認される。金正恩は憲法に韓国を第一敵対国として明記するよう指示した。韓国憲法が韓半島とその附属島嶼を領土と明記したのに、北側憲法には領土条項がないと指摘、主権行使の領域を正確に規定するための法律的対策を立てる必要があると述べた。また「韓半島で戦争が起こる場合、大韓民国を完全に占領、平定、収復し”共和国”領域に編入させる問題を反映することも重要」と話した。
また「三千里錦繍江山」「八千万民族」のように北と南を「同族」と誤導する用語をなくし、憲法の中の「北半部」「自主、平和統一、民族大団結」という表現は削除すべきと強調した。韓国を「徹底して第一の敵対国として、不変の主敵として看做すよう教育・教養を強化することを憲法条文に明記するのが正しい」とし、次回の最高人民会議で憲法を改正するよう指示した。最高人民会議は対南機構の祖国平和統一委と民族経済協力局、金剛山国際観光局を廃止した。
金正恩は、NATO・ロシア戦争が世界大戦(核戦争)に拡大するなどの際は、韓国を核攻撃するしかないと覚悟を固めたと見られる。金正恩は5日、岸田首相に能登半島地震被害への見舞い電を送った。数十年間行ってきた日韓分断策だ。北側との対話を熱望する岸田首相の心中を読んでの措置だ。尹政権にはロシアと平壌を分断させるという戦略的発想自体がない。

 

 


閉じる