総選挙まで3カ月をきった今、韓国社会に緊張と不安が膨らんでいる。与野党ともに党権を掌握した勢力が、選挙区の有権者たちの意思を無視して公認権を利用した一方的な権力再編を強行し、これに反発する離合集散が始まった。
李在明党の場合、主思派と組織暴力が生んだ党代表が、支持層までをソシオパス化(反社会性パーソナリティ障害)し党内外が巨大な混乱に陥っている。
釜山を訪れた李在明が2日、軽微な襲撃を受けたが、警察は事件の直後、現場を保存どころか、きれいに掃除、警察と共謀した自作劇という疑惑さえ買っている。
既得権政治の終息との名分を掲げ、李洛淵元代表(文在寅政権の元国務総理)が李在明党を離党し16日、「新しい未来」を創党した。李在明側は李洛淵などを非難するが自業自得だ。
与党も尹錫悦大統領の後継者とみなされる韓東勳前法務長官が世代交代(権力交代)を強行しているが、尹大統領と韓東勳に新鮮なイメージはなく、選挙を彼らの権力掌握の機会、手段として利用しているとの印象だけを与える。特に尹大統領と韓東勳は、国民多数が極度に嫌悪し警戒する「5・18精神」を憲法前文に入れると公言、右派国民を決定的に裏切り、激憤させている。
先週の台湾選挙(13日)が、不正選挙の雑音が全くなかったのに対し、韓国は不正選挙の本山である選管委が、法が規定した通り投票紙に投票管理官の私印を捺印しろという国民の要求を拒否している。尹大統領に公正選挙の意志がないと見られ、選挙結果に対する公正さの是非は、現政権の責任となった。韓東勳体制の与党も、恣意的な公認過程で破裂音が出るしかない。