【社説】傍観者に機会を許した歴史はない

西欧事大主義を警戒せよ
日付: 2023年12月28日 09時52分

 激動を予感させる2024年を迎えた。私たちは今年も混乱と不確実さの中で多くの選択を強いられるはずだ。この激動の時代を乗り越えられる広い視野と冷徹さ、平常心の維持のための心構えを読者諸氏と一緒に考えてみよう。
まず総選挙が100日後に迫ってきた。尹錫悦政権はこれまで、主権者である国民の激しい不正選挙糾明闘争を黙殺した。選挙制度に対する憲法訴願などが続き、国家情報院が現行選挙システムが外部のハッキングに無防備状態と確認したにもかかわらず、前回の総選挙結果に対する検証もなく選挙に突入する。偽造投票用紙(違法詐欺選挙)が偽造紙幣より軽い罪か。共和制の基礎である公正選挙と迅速公正な裁判を無視、恣意的法治をしてきた尹大統領は4月の総選挙に対して自信はあるのだろうか。
大統領と政府の優先的な責務は、法治と安保だ。尹大統領は、主権者である国民が望む公正選挙システムの構築は放置し、国家安保は米国に任せ、国内外に大企業のトップたちを帯同、自ら「大韓民国1号営業社員」を自任している。尹大統領は、基本的に市場と企業の領域である経済を、自らの業績づくりの対象として見ているようだ。嵐の中を進まねばならない船の船長が、進路を考えず櫓を漕ぐような状況なので、憂慮せざるを得ない。”権力で国民を豊かにして上げる”といった言動は傲慢であり錯覚にすぎない。
政治家たちが国内政治にばかり没頭、国際秩序のパラダイムの変化に注目していないが、大きな目で世界を見なければならない。平壌側の脅威をはじめ、我が国の安保に影響を及ぼす戦争が続いている。ロシアが安定したリーダーシップの下で強く復活している一方、ロシアを破壊しようとした米国と西洋は混乱し疲弊している。
尹政権は、同盟国の米国にさえ追従すれば良いという事大主義に陥っている。平壌側の脅威、サイバー侵略にも鈍感だ。内部の敵を放置している。盲目的、惰性的な同盟依存は危機を呼ぶ。韓米同盟は、地理的にも西太平洋地域に限られている。特に、米国の侵略戦争に韓国が関与するのは名分もなく実益もない。韓国は、無謀で無慈悲な戦争を続けるNATOやイスラエルなどを支援してはならない。
特に「規則基盤秩序」を掲げる西欧に追従してはならない。西欧は、西欧文明の美徳と長所を自ら否定、破壊している。自分たちのソフトパワーを自ら破壊しているのだ。同時に、西欧は世界支配への未練を捨てられず、自らの支配権を維持するために地球的規模で「認知操作戦争」を展開している。
米国の覇権が崩壊すれば、直ちに韓半島の停戦体制にも変化が避けられない。周辺国との関係調整も不可避だ。1000年に1度の確率の自然災害に備えながら、すでに始まった国際秩序の変化、覇権の交替に対応しないのは国家としての生存を放棄する行為と言うしかない。いずれにせよ自分の運命は自分が決めないと、他人が、甚だしくは敵が決定することになる。戦争は勝利した者が敗者の運命を決定する。戦争で負けた側に立ってはならない。
ポピュリズム時代に、慨嘆すべきことが日常化している。世界的現象だが、指導者たちが恥を知らない。破廉恥な者らが選挙に出馬する。4月の総選挙で、堕落した政治家たちや扇動メディアなどを牽制する革命的な政治勢力の出現を期待する。自分の運命を他人に任せ、僥倖を願えば奴隷になる。傍観者に機会を許した歴史はない。


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