民団中央が分裂状態に

独自の「臨時中央大会」開催
日付: 2023年12月05日 12時35分

 「臨時中央大会」と称する集会が2日、都内で開かれた。これに対し民団中央は一部地方本部を直轄化し、中央委員、代議員を解任する措置を取ったうえで「絶対に参加することがないように」と警告していた。「臨時中央大会」は予定通り開催され、直轄化を拒否したほか、中央の現幹部を解任し、来年2月の定期大会までの暫定3機関長を選出した。現在の中央と別に独自の3機関長が選出されるなど、民団は分裂状態に陥った。
中央議長の了解と主催を経ない独自の「臨時中央大会」当日は会場スペースの都合などを理由に、報道の取材を受け付けなかった。
主催者によると在籍中央委員と代議員の過半数の268人が参加し、会は成立。議長に東京の李壽源団長、副議長に宮城の李純午団長を選出。中央の金春植監察委員長は議案審議前に辞任した。
1日付で、中央が東京、大阪、福岡、京都、兵庫、広島、山口、長野、静岡、宮城、熊本の11の地方本部を直轄する公文を発したが、これについて無効を満場一致で決議。朴安淳議長不信任案を1人の反対で可決した。
中央による地方本部を直轄する措置を理由に呂健二団長の不信任案が緊急動議され、1人の反対で可決された。
来年2月の定期中央大会までの暫定3機関長を決めるため、選考委員7人が金利中氏を団長、張仙鶴氏を議長、監察委員長に韓在銀氏を指名。直選委員と顧問、事務総長と副総長の選定は3機関長に委任することを承認したとされる。
この独自の「臨時中央大会」について中央は、1日の公文で「直轄処分によって解任された前中央委員、前代議員らによって企図された虚偽の民団を捏造するための集まり」と強く非難し、「招集手続き上も無効」と断定している。
4日には独自に選定された幹部が事務引き継ぎを名目に、中央を訪れるとしたが、中央側は同関係者に対し、韓国中央会館の中央と東京が管理する5~9階と屋上部分への立ち入りと、東京の関係者の5階の利用を禁止する警告書を中央の呂団長と東京の金勇光直轄団長名で掲示している。
東京に電話取材をしたところ、利用を禁じられているはずの事務局が対応し「報道姿勢が中央寄りで、中立ではない統一日報の取材には答えられない」と回答した。
中央の朴安淳議長は「(独自の臨時中央大会は)正当な権利も資格もなく開いた集会に過ぎない。まずは決定事項を撤回する必要がある。そうでなければ、交渉するつもりはない」とコメントした。直選中央委員の一人は「原理原則に則らない、筋の通らない行為。早く終息してほしい」と困惑している。
独自の「臨時中央大会」は、東京の李団長と大阪の李元徹団長を発起人代表とした臨時中央大会招集請求の署名を10月21日に中央議長に提出したことが発端となった。11月24日までに本人確認を行った上で、過半数を超えれば大会を開催することが両発起人に伝えられた。
しかし集計が進む14日、発起人代表名義で、中央議長の了解と主催を経ない独自の「臨時中央大会」開催を予定する案内状を中央委員、代議員宛に送付。24日には、12月2日に都内で開催する招集公告を発信した。
これに対し中央は、呂団長、朴議長それぞれが、規約違反の大会であり、中止を求めるとともに、参加しないよう要望する公文を公表。さらに30日に、中央執行委員会で11地方本部の直轄化を決定した。


閉じる