韓国でコンピューターのシステム障害が相次いでいる。先月17日、行政コンピューターネットワークが麻痺し、役所の各種書類・証明書などの発行が全面停止して大混乱となった。政府はネットワーク装備ルーターのポートに問題があったと説明した▼同27日午前、ソウル市内の消防緊急出動システムが麻痺した。MDTサービスは消防通報者の位置を消防車と連結して道案内をするシステムだ。韓国通信大手KTが事故の原因を作ったとして謝罪した▼大法院行政処は同30日、今年初めのセキュリティーチェックの際、サーバーがウイルスに感染していたことが分かったと発表。裁判所のサーバーには判決文など裁判所が作成した文書、裁判の当事者が提出した訴状、答弁書、準備書面などさまざまな資料が保管されている▼日本でもLINEヤフーが同27日、同社のサーバーが第三者から攻撃され、LINEアプリの利用者情報など約44万件が流出した可能性があると発表した。株主である韓国・ネイバーと一部システムを共有化していたことが要因と見ている▼以前にも触れたが、国情院は10月に中央選管委の電算システム保安点検の結果を発表し、ハッキングに対して脆弱だと指摘。中央選管委の電算システムは行政コンピューターネットワークと比較できないほど劣ると分析する専門家もいる。尹錫悦政権はこれだけのトラブルや指摘があるにもかかわらず、総選挙時の投・開票電子システムの改革を拒むのだろうか。総選挙まであと4カ月となっている。