11月の輸出入 貿易収支38億㌦の黒字

半導体市場の回復が寄与
日付: 2023年12月05日 11時34分

 今年は世界的な景気後退を受け、韓国の貿易も低迷し、主要輸出品目である半導体やディスプレー、石油化学、鉄鋼が大きく落ち込んだ。特に近年、韓国経済を支えてきた半導体の不振が韓国経済に大きな影響を及ぼした。だがここにきて、11月の輸出実績で半導体が16カ月ぶりに前年比増を記録するなど、明るい兆しが見え始めてきた。

 産業通商資源部は1日、11月の輸出入動向を発表した。
それによると、先月の輸出額は558億ドルで、前年同期に比べて7・8%増加し、10月の550億8000万ドルを上回り、今年最大となった。輸出増加率は、昨年10月に前年比割れを記録した後に12カ月連続でマイナスを記録。10月に増加に転じ、2カ月連続でプラスとなった。
輸入額は11・6%減の520億ドルで、貿易収支は38億ドルの黒字となった。2021年9月の42億8000万ドル以来、26カ月ぶりの最大黒字額となった。
輸出好調の要因には低迷していた半導体市場の回復がある。11月の実績では半導体輸出が16カ月ぶりにプラスに転じた。半導体輸出は95億ドルと前年同期に比べ12・9%増加し、昨年8月以来、16カ月ぶりにプラスとなった。
昨年から停滞していた半導体の需要が拡大している。
半導体メーカー業界団体の「WSTS」は11月28日、世界半導体市場予測を発表した。それによると半導体市場は今年、9・4%の減少と4年ぶりのマイナスとなる見込みだが、来年は13・1%増、金額ベースで5883億ドルまで拡大すると予測した。11・8%増としていた半年前の予測から1・3ポイント上方修正した。
世界的に市況が悪化していたフラッシュメモリーが持ち直し、メモリー製品が44・8%の大幅なプラスの予測となったほか、今年話題となったチャットGPTなどの生成AIの普及で、関連する半導体製品の需要の急拡大が見込まれるためとしている。
半導体に限らず、韓国の15大主力輸出品目のうち12品目で輸出が増加した。
特に自動車関連は21・5%増の65億3000万ドルの輸出を記録し、17カ月連続で増加。北米を中心に、エコカーや大型スポーツ用多目的車(SUV)など、高付加価値な車の輸出が増えた。米国への電気自動車(EV)の輸出も69・4%増加した。
石油化学(5・9%)、バイオヘルス(18・8%)、二次電池(23・4%)、一般機械(14・1%)は8カ月連続、家電(14・1%)は6カ月連続、船舶(38・5%)とディスプレー(5・9%)もそれぞれ増加した。
地域別では、最大市場である中国への輸出で今年最大の114億ドルを記録した。昨年同期に比べ0・2%減少したが、4カ月連続で100億ドルを超えた。一方で、今年は11カ月連続で対中国貿易は赤字となった。通関ベースで対中貿易収支の赤字は140億ドルを超えている。


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