総選挙を控え、与野党が死活をかけて激突している。支持率が低迷する尹錫悦大統領は4日、大統領室の核心参謀たちを全面刷新、内閣の3分の1を交代した。野党は国会の多数議席を利用し攻勢を強めている。一方、李在明関連裁判で最側近に有罪が言い渡され、野党に動揺、亀裂が入った。政争に明け暮れる両党を牽制できる第3の政治勢力の出現を望む有権者が急増している。
立法権と予算権を持つ国会を支配する李在明党の尹政権無力化攻勢が「内乱」レベルに達した。
李在明党は、違法の疑いのない李東官放送通信委員長と李在明を捜査した検事2人に対する弾劾を強行した。李在明党は、李東官放送通信委員長が1日、辞表を出すや、尹大統領に辞表を受理しないよう要求。受理されるや結局、弾劾案を撤回した。
李在明党には致命的な問題がある。まず、李在明の最側近だった金湧元民主研究院の副院長が先月30日、大庄洞一党から不法政治資金を受け取った容疑で、1審で懲役5年と罰金7000万ウォン、追徴金6億7000万ウォンが言い渡され、法廷拘束された。
金湧の有罪判決は裁判を受けるために毎週、出廷する李在明自身の首を締めることになった。李在明のライバルの李洛淵元党代表は李在明の去就について、週に何回も出廷する状態で総選挙を指揮できるか、党が衆知を集めて決断せねばならないと圧迫した。重鎮の李相珉議員が3日、離党し、党分裂の信号が灯った。
総選挙に出る韓東勳法務部長官も、「公職者が巨額の賄賂と不法資金を受けたら刑務所に入る」と圧迫した。
尹政権の支持率が低迷しているのは、不正選挙を捜査せず、「不法国会」を放置したためだ。尹大統領は国会の責任とするが、国会と関係なく大統領ができる権限は多い。尹大統領は、法治回復と国家正常化の使命を放棄したと見られる。就任後19カ月間、外国訪問が23回、月1回以上だ。釜山エキスポ誘致失敗は尹政権の情報収集能力と状況把握能力を露呈した。尹大統領への保守層の反発が深刻だ。
文在寅政権の選挙不正・選挙介入犯罪に対する法院の判断が一部出た。先月29日の蔚山市場選挙介入裁判で、前蔚山市長の宋哲鎬と黄雲夏前蔚山警察庁長、宋炳琪元蔚山副市長などに懲役3年、白元宇元青瓦台民情秘書官に懲役2年が言い渡された。
起訴されてから3年10カ月ぶりの1審判決は裁判サボタージュだ。宋哲鎬と黄雲夏は任期を終えたか、ほぼ終えている。判事たちに裁判サボタージュの責任を問うべきだ。
他の共犯たち、選挙介入を指示した文在寅は特に断罪せねばならない。尹大統領は就任以来、文在寅を庇護してきた。そもそもこの選挙介入は、文在寅が自分の「盟友」の「宋哲鎬の当選が願い」といったのが始まりだった。
青瓦台秘書室の8つの組織が宋哲鎬の当選に動員された。文在寅側は事件の捜査も妨害した。文在寅と任鍾晳元大統領秘書室長、曺国元民情首席なども捜査、処罰せねばならない。
国情院が大法院も北側にハッキングされたことを確認した。だが、与野党と尹政権は北側のサイバー侵略に関心を示さない。むしろ北側のサイバー攻撃状況を確認・公開した金奎顯国情院長が先月26日に解任された。組織掌握力を問題にしたが、反逆政権に服従、内通した者らを組織から除去しようとしても、尹大統領が守っている文在寅などの反逆勢力を、国情院長などが粛清できるだろうか。