四天王寺ワッソ開催

韓日両首脳がメッセージ
日付: 2023年11月07日 13時03分

 ”古代と現代の国際交流”をテーマとする四天王寺ワッソが5日、大阪市中央区の難波宮跡公園で開催され、4万人が来場した。従来、巡行パレードがメインイベントであったが、今年は舞台イベントが中心となり、大幅に縮小された形となった。会場には「まんぷく屋台広場」や「わくわく体験広場」なども設けられた。
尹錫悦大統領と岸田文雄首相からも祝辞が寄せられた。日本の首相からの祝辞は、文在寅政権時に停止して以来となる。
◆建国在校生ら披露
プレステージでは大阪国際滝井高校吹奏楽部、宣真高校ダンスバトン部、コリア国際学園のK―POPカバーダンス、KANUNwaVeのカバーダンス、建国幼・小・中・高校のサムルノリなどが披露された。
開会宣言やアンミカ・ワッソ広報大使のビデオメッセージ、摂津職大夫の上陸許可宣言などがあり、第1部の「古代の国際交流」では垂仁天皇と野見宿禰、都怒我阿羅斯等と多遅摩母理、中大兄皇子、大海人皇子、中臣鎌足、金春秋、善徳女王、天日槍、阿加留比売、蘇我稲目、蘇我馬子、聖明王などが登場した。
浜村淳さんが語り部となった歴史劇があり、応神天皇や王仁博士などに言及した。聖徳太子による平和宣言も行われた。続いて、第2部の「現代の国際交流」では、国立釜山国学院や嶺鼓ノリ、K―POPのステージがあり、四天王寺ワッソしまい太鼓有志によるしまい太鼓で終了した。
◆観覧者、舞台に集中
観覧者は「舞台に集中できて良かった」と肯定的評価もある反面、「規模が縮小されて寂しい感じがした」という感想もあった。
四天王寺ワッソは、NPO法人大阪ワッソ文化交流協会が主催し、大阪の祭りとして定着しているが、巡行パレードがなくなるなど規模が縮小した。
主催者は、古代日本には韓半島など東アジアから多くの技術や文化が海を渡り、長い年月の中で受け入れられて、時にその地に相応しい形へ進化を遂げ、現代に受け継がれる伝統となった。今年は「古代と現代の国際交流」をテーマとした。
四天王寺ワッソは30年余り前の1990年に、当時の信用組合大阪興銀が中心となり、古代の国際交流を再現したイベントとして開催されたもので、谷町9丁目から四天王寺までの谷町筋を、模造大型古代船が巡行するなど、世間の度肝を抜く大々的なパレードを演出、四天王寺ワッソと称された。
◆中断を経て復活
その後、毎年開催される大阪の名物行事となったが、2001年に主催者の関西興銀が破綻、以降3年間中断された。中断を惜しむ声が広がり、民団大阪本部をはじめとする日韓の企業や団体、歴史学者らが発起人となり、同本部内にNPO法人大阪ワッソ文化交流協会が設立された。
そして04年、NPO法人大阪ワッソ文化交流協会が主催者となり復活。大阪府などからも資金援助を受け、場所を難波宮跡に移し、規模を縮小して開催されるようになり、名称を「四天王寺ワッソinなにわの宮」として、毎年開催されるようになった。
◆韓半島の渡来人由来
「ワッソ」は韓国語で「来た」という意味で、韓半島からの渡来人が日本列島に到着して「ワッソ、ワッソ」と歓迎し、喜んだとされている。そのワッソが、日本語の「ワッショイ」に転訛し、祭りの掛け声になったとされている。
四天王寺は聖徳太子が創建した大阪の古刹で、百済の建築技術者たちが韓半島から渡ってきて建てた。
(大阪=韓登)

7世紀新羅の「金春秋」と皇室の出迎えを再現している場面


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