高永チョル 韓半島モニタリング

ハマスによるイスラエル攻撃の背景
日付: 2023年10月17日 13時23分

 マッカーサーは太平洋戦争で米軍の得意とする上陸戦で連勝し、第2次世界大戦を勝利に導いた。マッカーサーは、韓国戦争でも仁川上陸作戦を成功させ、戦況を逆転させた。当時、参謀たちは潮の干満差が10メートル以上の仁川上陸に反対したが、まさにその点が敵の警戒を緩めると指摘し、上陸作戦を強行し戦勢を逆転させた。マッカーサーは「作戦の失敗は許せても警戒の失敗は許されない」という戦争教訓を残した。
10月7日未明、パレスチナの武装集団ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した。過去、1967年の6日戦争の時、イスラエルは周辺国のエジプト、シリア、レバノン、ヨルダンと戦い、6日間で大勝利を収めた。イスラエルは周辺イスラム諸国との相次ぐ戦争で連勝した前例がある。
しかし、今回はユダヤ教の安息日の休日を利用したハマスの奇襲攻撃にさらされてしまった。マッカーサーの指摘どおり、警戒の失敗が招いた大惨事だ。世界最高の情報収集力を持つモサドと米CIAも警戒を緩めたため、虚を突かれてしまった。14日時点でイスラエル側の死者は1300人で、パレスチナ側は2215人にのぼる。イスラエルは戦争を宣言し、予備軍を動員して鉄剣作戦(Operation Swords of Iron)を展開している。
イスラエルは人質に取られている200人に対して、ハマスとの妥協はないと述べた。今回は4人のアメリカ人が死亡しており、7人がハマスの人質になっている。米国は自国民が殺されたら必ず報復を行う国柄である。
イスラエル南部のガザ地区に自治政府を持つハマスの武装組織の背後には、イランがいる。イランは北韓と太いパイプでつながっている。イランは北韓からミサイル技術を提供される見返りに潤沢なオイルマネーを提供し、互いに共生関係にある。
米国防総省情報本部(DIA)分析官出身のブルース・ベクトール(エンジェルロ州立大学教授)は8日、「ハマスは以前から北韓製F7ロケット発射機(RPG)を使用してきた」と指摘し、「他の北韓製兵器も使用された可能性が高い」と指摘した。さらに、「2014年、ハマスが北韓製の多連装ロケットなどを輸入契約した」と付け加えた。その後、イスラエルはこれらの武器がハマスとヒズボラに向かっていたと伝えた。
また16年、エジプトは北韓船舶でロケット砲と手榴弾を多数摘発したことがある。一方、北韓製の122ミリロケットと手榴弾及び小型武器などを載せた輸送機が09年、タイ空港で摘発された先例がある。ロイド・オースティン米国防長官は声明を出してジェラルドフォード空母と巡洋艦、駆逐艦、潜水艦で編成された空母打撃群団をイスラエル近海に展開したと発表した。
イスラエルの領土にはパレスチナ自治区域が2カ所ある。ひとつはハマスが実効支配するガザ自治区(東京23区の6割)であり、もうひとつはヨルダン川の西岸地区にある。イスラエル軍はガザ地区のハマス武装グループの拠点にピンポイント空爆を繰り返している。
バイデン政権は、国際社会で間違った外交政策を通して戦争を呼び起こすという見方が広がっている。特に、急に撤退したアフガニスタンに残した米軍兵器は機関銃6万4363丁、小銃35万8530丁、ピストル12万6295丁に上る。今回のイスラエル攻撃にも使用されているという。
トランプ前大統領をはじめ共和党の大統領候補たちも、バイデン政権はハマスを支えるイランと囚人を交換する代償として、イランの凍結資金を解除したことを非難した。トランプ前大統領はイランに60億ドルを与えたバイデン政権が中東の危機を招いたと指摘、非難している。バイデン政権のステップがねじれており、バイデンは来年の選挙で敗北する可能性が高くなった。
トランプはロシアを味方に、中国と北韓を牽制し屈服させた。トランプの得意は相手に最大の圧力をかけて譲歩を引き出す手腕家として知られている。従って、来年の米大統領選挙でトランプ再選の可能性がますます高まっていると言える。


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