「未来に続く国際交流の象徴」

大阪ワッソ文化交流協会 朴忠弘理事長
日付: 2023年10月10日 12時46分

 大阪の国際交流を象徴する韓流歴史フェスティバル「四天王寺ワッソ」が今年で30回目を迎える。記念すべき年に「ワッソ」は新バージョンで観客を迎えることがわかった。「ワッソ(WASSO)バージョン3」だ。今年11月5日、難波宮跡で開かれる新バージョンの「ワッソ」について、大阪ワッソ文化交流協会の朴忠弘理事長に話を聞いた。

(大阪=李民晧)



初回は1990年。開催回数としては30回目を迎える。今回のワッソの特徴は。
「今年からは、従来のようなパレードは行わず、すべてのパフォーマンスをステージ上で行う。舞台公演なので観客とパフォーマーが一体感を楽しむことができる。よりリアルにワッソを観てもらえるので興奮もひとしおではないだろうか。楽しんでもらえるようなプログラムをそろえて準備を進めている」

「ワッソ」はどのような形にしていくべきか。
「初回開催から10年間は谷町筋での街頭パレードを行い、2003年にNPO法人へと転換した。それから20年間は時代ごとに韓半島から渡ってきた偉人たちの足跡を再現することに焦点を当ててきた。これからは古代のみならず、現代の国際交流、未来へと続く韓日・東アジア交流の象徴にしていきたい。従来のOBによる参加はもちろん、新規の会員や若年層にまで間口を広げる時だと思う。最近、協会に加入する人は大半が若者なので嬉しいかぎりだ」

1500年間の韓日交流史を振り返ると、両国間の摩擦は少なく、良好な関係を築いていた時期がはるかに長かった。現代の両国民にその事実はあまり知られていないようだが。
「日本の歴史教育においても、韓日間の交流や、渡来人が日本の文化発展に貢献した歴史についてはあまり知られていなかった。その事実は”ワッソ”によって大阪と日本社会に伝えることができた。”ワッソ”は日本の中学校で使用する歴史の副教材(大阪府版)でも紹介されている。日本各地に残る渡来系の地名やその由来が掲載されたのもワッソの力だと思う。韓日、そして東アジア諸国が善隣友好で結ばれていたことがより多くの人に伝わると嬉しい」
祭りのプログラムにK―POP公演があった。韓流の人気を実際に体感しているか。
「生野のコリアンタウンは若者であふれている。身近なところでも、K―POPを学ぶために韓国に留学するという話を聞く。そんな若者たちのニーズや動きを踏まえてワッソにも取り入れることにした。4人組アイドル『TRY』の公演に加え、世界K―POPコンテストの日本代表チームも出演する。また、釜山国立国楽団の韓国伝統公演や、白頭学院の生徒たちによるサムルノリ、日本伝統の太鼓も登場。バラエティー豊かな舞台となるだろう」

今回、アピールしたい点は。
「”ワッソ”はもともと、渡来人が日本に先進文化を伝えたという事実を同胞の次世代に教え、そのルーツを失わないようにすることから始まった。さらには、日本の美しい文化として、また大阪の祭りとして残していこうという認識だった。30年以上にわたってワッソが続いてきたのも、多くの日本の方々が賛同してくれたおかげだ。これまで以上に両国の縁が深まった今年、韓日と東アジアをつなぐ国際交流フェスティバル”ワッソ”をぜひ楽しんでほしい」

ワッソ文化交流協会の朴忠弘理事長(左)と李秀明事務局長


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