【社説】尹政権は独自の抑止力と国民保護対策を急げ

日付: 2023年10月03日 11時01分

 核能力の高度化を誇示してきた平壌側が先週、「改憲」を行い、”核武力政策と核武力高度化”を憲法に明記した。
昨年9月「核武力政策法」を通じて核先制攻撃を明文化、宣言した後続措置だ。
大韓民国は世界で核攻撃を受ける可能性の最も大きい国の一つだ。実際に韓・米当局は韓半島で戦争勃発の際、平壌側が韓国に核先制攻撃を加えると判断している。
「北韓の非核化」を目標とした米国など国際社会の労力は、当初から現実性がなかった。平壌側が核保有を憲法に入れたのは、金正日の死亡直後、つまり金正恩が権力を継承しながら行った第11次改憲(2012年4月13日)だ。要するに、平壌の神政体制(金日成王朝)を支える決定的装置が核兵器だと宣言したのだ。
もちろん、平壌側の核武力高度化を実現させたのは韓国民の油断と、金大中・盧武鉉・文在寅政権の与敵・反逆の結果だ。尹錫悦政権はこれまで、核戦争の危機を国民に知らせ、積極的に対応するといった努力をしていない。尹政権は国際秩序の急変とパラダイムの変化も感知していないようだ。
サウジアラビアは先月、イランが核武装をすれば自国も核武装をすると宣言した。資源を持ちながらも経済を発展させられなかった国々が、西欧が主導してきた国際秩序を拒否する。制裁手段として乱用されてきた国際金融決済網などを回避する。
ウクライナ戦争はロシアが有利な状況だ。米・英は敗北を糊塗し局面転換を目論んでいるが、西欧諸国の大勢はウクライナへの武器支援を縮小した。もう資金や武器を支援する能力がないといえるだろう。また、選挙で政権が変わる国々は、選挙結果によっていつでも政策が変わる。
米・英やNATOがロシアを破壊する行動にでれば、ロシアもNATOの無力化を目指すのは当然だ。日本など主要諸国が国防費をGDP比2%以上に増やすのは、キエフ側を支援するためではなく、今後の世界大戦への備えだ。
一方、韓国は尹・ゼレンスキー合意により地雷除去戦車2台をキエフ側に提供した。韓国の朝野はウクライナ再建に参加するなど非現実的な議論へ走り、迫ってくる韓半島戦争に対する実際的な準備より、韓米同盟と韓・米・日の結束にのみ集中している。
多くの韓国人が米国はすべての戦争で勝利してきたと錯覚、西欧の経済戦争(経済制裁措置)の力を過信する。平壌側は韓・米・日の結束に反発、「国土完整」(韓半島赤化統一)を強調、短期戦を準備している。韓国は戦時に備え莫大な物資を備蓄せねばならない。
われわれはウクライナ戦争を通じて未来戦の様相を見た。韓国は、ロシアレベルの武器生産および戦争持続態勢を整えねばならない。韓国は他国に弾薬を支援する余裕などない。いくら近代化された地上軍でも、衛星や無人機などに発見されれば破壊される。韓国は直ちに強大な防空能力を確保すべきだ。
韓国空軍が来年からKF21を量産しても、必要な武装は全部、外国から導入せねばならない。至急、KF21に必要な空対空ミサイルを開発せねばならない。中、日、台湾も空対空ミサイルを生産する。特に、敵の戦争能力を破壊できるように高威力の弾道ミサイルを圧倒的に確保せねばならない。最も重要なのが、国民保護の防衛態勢だ。全国に核防護施設の建設を制度化、義務化すべきだ。
同盟は重要だが、同盟の支援を前提として戦争に臨んではならない。自力で勝利する覚悟が必要だ。韓国は「韓・米・日」対「北・中・ロ」の構図を強制されてはならない。尹大統領は、ロシアを非難しながら中共は非難せず、韓・日・中首脳会談も推進中だ。矛盾だ。韓国はロシアを敵対する理由がない。


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