「虚言」で崩れた李在明代表

「共に民主党」から大量造反
日付: 2023年09月26日 10時09分

 「共に民主党」李在明代表に対する逮捕同意案が21日、国会で可決された。党はこれを受け、蜂の巣をつついたような混乱状態に陥っている。李在明体制の継続か、新体制への転換か―。党員は選択の岐路に立たされ、李在明自身は逮捕の危機に直面している。党内では、李在明の支持者による裏切り者「ユダ」を捜す動きが加速化している様子だ。
(ソウル=李民晧)

 

 21日、国会は背任などの容疑で検察当局が逮捕状を請求した共に民主党・李在明代表に対する逮捕同意案を可決した。投票総数295票のうち、賛成149票、反対136票、棄権6票、無効4票。李在明代表は3週間の断食を決行し、表決に先立ち党の所属議員らに逮捕同意案の否決を求めた。しかし、議員らの心を動かすことはできなかった。
票を集計したところ、共に民主党議員167人のうち、少なくとも29人が賛成に投票した上、棄権・無効を含めると40人に達するものとみられる。
李在明の断食決行は党内を団結に導く切り札にも見えたが、蓋を開けてみると逆効果を与えたとも考えられ、党の分裂を招く結果となった。

嘘にまみれた自作自演の人質劇

李在明はなぜ断食を決行したのだろうか。
対外的には、福島処理水放出への反対や、不正に抵抗することが目的のように見える。尹錫悦政府の暴走を阻止すると述べていたからだ。李在明は国会議員不逮捕特権の放棄まで宣言している。
「私への捜査については不逮捕特権を放棄する。逮捕状が出れば自ら出頭する。召喚されたら例え100回でも応じる」(6月19日、李在明談)。
しかし表決を翌日に控えた20日、李代表は前述の発言を覆した。
「尹錫悦(政権の)検察が表決を強要しているなら真っ向から臨むべきだ。もし『罠』が不当なものであるなら、避けるよりも破壊すべきだ」
この発言はつまり、党議員に対し「不逮捕特権を守れ」と命じているに等しい。断食の意義が一瞬にして立ち消えたのだ。「セルフ人質劇」との皮肉に相応しい瞬間だ。
複数の実定法違反容疑、発言の転換、家族間における悪口の暴露など、政治家としては致命的な弱みを抱えていても政界で生き残っていた李代表が、自らの言動によって自党議員から見放された格好だ。

裏切り者探しに奔走する民主党

李在明の逮捕同意案が可決されると、共に民主党の院内代表団は責任を負う形で総辞職した。しかし反省の色は薄い。依然として「李在明の民主党」といった私党的な空気がまん延している。「国民の力と共謀して党代表を売った」「党員に対する裏切りだ」など声を強めると同時に、李在明の支持者らは、賛成票を投じた議員探しに奔走している。党内の最大派閥は親・李在明派だ。彼らは現体制の下、来年4月に行われる選挙を視野に政治的利益を優先するものと見られる。
一方の李在明自身は目下、裁判所行きを控えている状況だ。
裁判所は、秋夕連休前にも逮捕前の被疑者尋問(令状実質審査)を行うものとしている。逮捕状発行の有無に関わらず、李在明のこれまでの行動を見るかぎりでは唯我独尊を貫くだろう、という見方が優勢だ。自らが述べていたように、心理学の書籍を数十冊も読み込み、人間の心理を研究してきた。ゆえに、本人を巡る大小の不正疑惑が取り沙汰されていたにもかかわらず、顔色一つ変えずにやってきたのだ。しかし、その厚顔無恥も今回の逮捕同意案可決により色を失うことになりそうだ。

 

21日午後、ソウル汝矣島の国会で可決された李在明逮捕同意案の表決投票数

 

 


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