民団10年ぶりソウルで大統領と会談

尹大統領「韓日関係の進展は在日の力に」
日付: 2023年09月20日 10時34分

 民団(在日本大韓民国民団)の代表団が10年ぶりにソウルで大統領と会談した。前回行われた大統領との表敬会談は2013年8月の朴槿惠政権当時で、文在寅政権時は実現に至らなかった。民団は文政権当時、複数回にわたりソウルでの会談を求めたが、文政権がこれに応じなかった。
尹錫悦大統領は15日午後、龍山の大統領室で、呂健二団長をはじめとする民団中央本部の3機関長と傘下の地方団長らおよそ20人と茶話会を開いた。本懇談会の意義について大統領室は「未来志向的な新しい韓日関係を築いていくにあたり、在日同胞社会の声に耳を傾けつつ、民団を激励するために設けた」と明らかにした。
尹大統領は民団幹部らに対し「民団は母国の経済発展に大きな役割を果たした」と感謝の言葉を述べた後、「日本における在日同胞の経済活動や日常生活を支えることができず申し訳ない」と遺憾の意を示した。
続いて尹大統領は、韓日関係正常化に対する意義を説明。「正常化とは、両国関係が最も良好だった時代を取り戻すこと」と語った。尹大統領は今年3月に実施した岸田文雄首相との初会合以降、6回にわたって会談を開き、韓日の協力体制について意見を交わした。
尹大統領は「韓日関係が進展すれば、同胞たちにとっても大きな力となるだろう。(同胞の)皆さんが経済や社会活動をする上で強力な支えとなるよう最善を尽くす」と加えた。
在日韓国人代表として挨拶した呂健二・民団中央本部団長は「尹大統領が5月の広島G7首脳会議に参加した際、被爆同胞を招待し、岸田首相とともに『韓国人原爆犠牲者慰霊碑』を参拝したことに深く感銘を受けた。民団も両国の架け橋としての役割をより忠実に果たしていきたい」と述べた。
民団中央の孫京翼顧問は「われわれ民団も関東大震災100周年追悼式を開催した。しかしながら、現職国会議員の尹美香氏は北韓の日本支部ともいえる朝鮮総連主催の式だけに参加した。これは在日同胞社会に対する裏切りであり、韓国国会に対しても失望を与えた」と指摘した。
民団幹部らは「歴代大統領と会談してきた中で、尹大統領との会談は最もフラットに話すことができた」とし、母国と同胞社会、そして韓日関係の更なる発展を祈願した。尹大統領も「在日同胞社会の困難について見識を深めていきたい。韓日関係の改善促進に民団が一役買ってくれることを願う」と述べた。
この日の会談に出席した韓国側の要人は金起炫・国民の力代表、金石基・国民の力在外同胞委員長、李基哲在外同胞庁長など。また、尹錫悦大統領は29日の秋夕当日、ソウルで広島の被爆同胞を慰霊するイベントを行う予定だ。       (ソウル=李民晧)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

民団代表団と会談する尹錫悦大統領(写真提供=大統領室)


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