在外同胞庁、「力点事業」発表

李庁長「教科書に母国貢献の記述を」
日付: 2023年09月20日 10時17分

 在外同胞庁が発足から100日目を迎えた。750万人の在外同胞を一手に背負う専門政府機関は今後どこに向かっていくのだろうか? 李基哲・在外同胞庁長は「同胞と国の利益に符合した政策を展開していく。外国で使用されている教科書には韓国の発展を、国内の教科書には在外同胞による母国貢献について掲載するよう進めていく」と抱負を語った。(ソウル=李民晧)


在外同胞庁のミッション

「在外同胞と韓国の『共同発展』を通じて、世界の中枢たる国家の実現と人類の共同繁栄に貢献していく」
在外同胞庁のミッションについて冒頭で言及した李基哲庁長は、「庁の設立による最大の変化は、政策の立案と事業の遂行が一元化されたこと。特に、次代を担う同胞のアイデンティティー育成に向けて多大な努力を払っている」と述べた。
予算獲得に乗り出した庁は、来年度の在外ハングル学校の運営費と教師の育成費をそれぞれ前年比25%、44%ずつ増額することに成功した。また、若者の母国研修プログラムで「韓国の発展像教育」を新設することを決定。現在は年間2300人にとどまっている次世代母国研修の規模を段階的に増やし、5年後には9000人規模にまで拡大していく方針だ。

教科書への掲載を主力事業に

在外同胞庁は現在、七つの分野と23の主要課題に分け、計41の事業を推進している。
中でも李庁長が特に強調した事業は、海外で使用されている教科書に韓国に関する内容を掲載させることだ。
李庁長は「韓国の発展ぶりを外国の教科書に載せ、各メディアを通じて積極的に周知していきたい。それにより次世代の在外同胞が現地社会に進出する上で有利な環境を整えることができる。韓国に対する同胞の自負心も向上するだろう」と語った。李庁長は「第2次世界大戦後に独立した約80カ国のうち、欧州連合(EU)レベルの民主主義と経済成長を同時に成し遂げた国は韓国が唯一だ」と強調した。
在外同胞庁はまた、国内の教科書にも在外同胞に関する内容を掲載し、様々な関連コンテンツの開発にも乗り出す考えだ。依然として国内での認知度が低い在外同胞に対し、国民の認識を新たにする策でもある。
李庁長は「在外同胞の母国貢献や、日帝の統治期における同胞の独立運動家を紹介するなど、韓国検定教科書に掲載させるべく事業を推進している」と明らかにした。

改正教育課程から抜けた「在外同胞」

一方で昨年末、教育部が公開した「2022改正小・中等学校教育課程」には「在外同胞」に関連する内容が抜け落ちている。
そのため、庁の事業を推進するためには、歴史学者らで構成された国政検定教科書の執筆陣を説得しなければならない。その上で喫緊の課題として挙げられているのは、在外同胞に関する記述内容の根拠や具体性、修正・補完に関する意見をまとめ、これらを実行するための体制を整えることだ。

オランダの教科書に記載された韓国関連の記述について説明する李基哲・在外同胞庁長

 


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