編集余話

日付: 2023年09月20日 10時13分

 「世の中には三つの嘘がある。ひとつは嘘、次に大嘘、そして統計である」。英国の元首相、ベンジャミン・ディズレーリの言葉とされる▼正しい結果を導くためには正しい統計が使われるべきであるが、根拠に乏しい主張を補完するため、恣意的に歪曲された統計が用いられることもある。そして、それは思いのほか多い▼監査院は15日、文在寅政権下で発表された住宅価格など主要国家統計の作成実態を調査した結果、数年間にわたって統計操作の疑いがあったとし、元政府高官など22人の捜査を検察に要請したと発表した。中間監査結果発表では「大統領秘書室と国土交通部などは、統計庁と韓国不動産院に圧力をかけて統計数値を操作、統計記述情報を歪ませるなどの違法行為をした」と糾弾した▼2017年から21年まで少なくとも94回以上、統計数値が操作されたという。住宅価格だけではなく、所得、雇用などの統計も、文前政権の経済政策だった「所得主導成長」などに合わせて改ざんされたとの疑惑もある▼政府発表の統計データは「民主主義の根幹」をなすものだ。メディアは政府発表だからと信じて報じるが、誤った統計であれば、それは結果としてフェイクニュースを拡散することになる▼文政権時に行われた「不正」と思われる事件など多くの解明すべき疑惑が浮上している。当時の政権は、過去の誤った慣習や前例を「積弊」と呼び、厳しく指弾した。尹錫悦政権も「積弊捜査」を徹底して行い、過ちを繰り返さないようにすべきだろう。


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