プーチン・金正恩会談が警告する戦略構図の激変

「アジア版NATO」の目的は何か
日付: 2023年09月20日 10時09分

 金正恩がロシア訪問を終え17日、帰国した。
金正恩の今回の訪問目的・意図は、随行員の面々と日程に現れている。プーチン大統領は13日、ボストチヌイ宇宙基地で金正恩と会談、一緒に基地を視察した。ロシア側は、軍と戦略兵器開発責任者などが大勢含まれた金正恩一行に極東地域の重要軍事基地を案内した。両側間の共同声明などはなかったが、ロシアと北韓の戦略的協力関係は回復したのだ。
金正恩のロシア訪問は韓半島とアジア太平洋地域の戦略構図はもちろん、国際情勢全般に予測し難い変化、衝撃を与えることになる。様々な方向、多様な分野への連鎖的な影響がこれから続くはずだ。
このすべては西欧(米国)の無謀なウクライナ戦争が招いたものだ。NATO・ロシア戦争はロシアが西欧を攻撃したのではなく、西欧がロシアを圧迫して起きたのだ。  アングロサクソンの戦争勢力はウクライナへの西欧の軍事支援能力が枯渇するや、特に韓国を圧迫する。尹錫悦大統領にウクライナへの果敢な支援とロシア・中国・北韓との対決を強要している。バイデン政権は、ロシアとの戦争の局面転換のため、長期戦と核戦争も辞さない構えだ。
長い間孤立してきた平壌側が活路を開いている。平壌側の戦争準備の攻撃性が目立つ。各種ミサイル試験発射で驚くほどの進展を見せている。北側は7月12日、火星18型を発射した。北側は米本土全域を射程に入れるこの固体燃料のICBMに、ロシアのヤルス(RS24)級の多弾頭技術が欲しいのだ。
北側は今年、2回の偵察衛星発射で失敗した。ロシアは北側が欲しい技術を提供できる。ボストチヌイ宇宙基地をロ・北首脳会談場所にしたのはそういう事情がある。米国の「アジア版NATO」に対抗せざるを得ないプーチン大統領は金正恩の訪北招待を受諾した。 
北側は8日、戦術核攻撃潜水艦を公開した。今回の金正恩のロシア訪問には海軍司令官も遂行した。ロシア訪問を随行した党軍政指導部長の朴正天の行動も注目される。軍政指導部は、戦争準備態勢の強化と直結する。
プーチン大統領が来月、北京を訪問する。習近平のロシア訪問から7カ月ぶりだが、世の中は完全に変わった。


閉じる