韓国検察当局は7日、先の大統領選挙について「大統領選挙介入世論操作」事件とし、特別捜査チームを設置した。疑惑の渦中にいるのが金万培氏。当時「大庄洞事件」(都市開発事業をめぐる汚職事件)で起訴された法人の大株主である▼大庄洞事件では当時、大統領候補だった李在明氏が嫌疑をかけられていた。その疑惑もあり、李氏の支持は伸びなかった。そして選挙戦の3日前、突如飛び出したのが、野党候補であった尹錫悦氏の関与疑惑である▼公開されたのは、金万培氏のインタビュー音声である。その中で金氏は「(尹氏が)2011年、釜山貯蓄銀行事件の主任検事として、大庄洞開発の融資ブローカーに会い、捜査をもみ消した」と主張。さらに尹氏が「大庄洞事件」と関わりがあったと明言した▼与党候補だけでなく、野党候補も汚職にかかわっていた。この疑惑はインターネットメディアの報道が先行し、その後テレビ局が後追いし、ポータルサイトによって拡散された。いずれの段階でもファクトチェックは行われなかった▼金万培氏は後日、発言は嘘であったと認めたが、大統領選の結果を左右しかねない報道であった。韓国では来年4月、総選挙が行われる。フェイクニュースを使った政治工作は、野党「共に民主党」により常態化しており、今後、熾烈な情報戦が繰り広げられるだろう▼メディアを使っての扇動はもちろん、事前投票や電子開票などの現行の選挙管理システムでは不正選挙を防げない。根本的な見直しが必要だ。