朝総連と蜜月の尹美香議員

ソウル警察庁 国安法違反容疑で捜査
日付: 2023年09月12日 12時06分

 都内で1日、朝鮮総連東京本部が主催した「関東大震災朝鮮人虐殺100周年東京同胞追悼会」に韓国代表団の一員として出席した韓国国会議員の尹美香氏が、国内外で批判を浴びている。韓国ソウル警察庁は、市民団体などからの告発を受け、国家保安法と南北交流協力法違反の疑いで捜査を進めている。

 日本では民団中央が4日、呂健二団長名で、尹氏に対して国会議員辞職を要求するとともに、反国家的勢力とのつながりの徹底的な調査を韓国当局に求める談話文を発表した。
韓国統一部は、南北交流協力法違反で過料を科すための手続きを開始した。未申告での接触と判断されれば、過料賦課審議委員会を開き、決定した過料を通知する。また同部は尹氏らに経緯書の提出を要求。13日の期限を定め、事実関係の調査を行う。
尹氏のほかには、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の李娜栄理事長、市民団体「韓国進歩連帯」のハン・チュンモク代表など8人が参加した。
尹氏は5日、「献花をしただけで総連側の要人と情報やメッセージをやりとりする行為などはなかった。事後申告の対象でもなく、現行法違反もなかった」とコメントしている。統一部は即日、「南北交流協力法第30条によると、朝鮮総連関係者は『北韓住民』とみなされていて、朝鮮総連が主催・主管する行事に参加するには、統一部の接触申告受理が先行しなければならない」と反論している。
尹氏は5日、動画共有サイト「ユーチューブ」チャンネル「金於俊の謙遜はつらいよニュース工場」に出演し、釈明している。
同番組で尹氏は、朝総連主催の行事に出席し、民団主催行事を欠席したことについて「民団行事は、実は知らなかった。日本に行くと告知したが、駐日韓国大使館が日程を教えてくれなかった」と話した。しかしフェイスブックには2日、「民団で追悼行事があると聞いたが、招待されなかった。十分に理解できる状況だった」と記載していた。つじつまが合わない説明に、韓国政界関係者からは疑念の声が上がっている。
尹氏は寄付金などの一部私的流用で2月、ソウル西部地裁から有罪判決を受けた。また夫の金三石氏は北韓系団体から資金を受け取ったとして有罪判決が下り服役した。慰安婦ビジネスだけでなく、北韓との親密な関係は隠しようがない。
日本の左派系市民団体とのつながりも強めている。一般社団法人「Colabo(コラボ)」(仁藤夢乃代表)は、尹氏が代表を務める正義連傘下の元慰安婦支援団体「金福童の希望」を支援してきた。一緒に集会を催すなど、さまざまな活動を共にしている。
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の佐伯浩明理事長は、尹氏が朝鮮総連主催式典に出席し、民団主催式典に不参加だったことについて、「韓国社会の深刻な分断状況を示すもの」と憂慮している。「尹氏が親北派の人物であることは、経歴を観れば明らかだ」としつつ、「長年にわたって北韓による工作の深刻さに気づかず、慰安婦の境遇に同情するあまり、親北派の流す情報を検証せずに流してきた」と日本のメディアにも、苦言を呈している。
これからの韓日関係について、「親北派の文在寅前大統領から保守派の尹錫悦大統領に交代した。これをきっかけに、北韓の独裁体制と戦い、北韓住民の人権解放が進むことを願っている」とコメントしている。


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