プーチン大統領が金正恩をロシアへ招聘

国情院「北側は開戦の際、戦術核を使う」
日付: 2023年09月12日 12時06分

 ロシアと平壤側が、金正恩のロシア訪問を公式発表した。クレムリン宮は11日、金正恩がプーチン大統領の招待を受け、数日内にロシアに訪れると発表した。
平壌の朝鮮中央通信も金正恩がプーチン大統領の招待で、間もなくロシア連邦を訪問、会談すると報道した。金正恩のロシア訪問は2019年4月以来、4年5カ月となる。
ロシアと平壌側は、金正恩の出発と到着予定時間、会談の日時や場所などの詳細な日程は発表しなかったが、クレムリン宮の代弁人は「プーチン大統領がウラジオストックで開かれる東方経済フォーラム(EEF)で金正恩と会う計画はない」と答えた。EEFは10日から13日までウラジオストック沖のルスキー島の極東連邦大学で行われる。
韓国政府筋は11日の午後、「金正恩が乗った1号列車の太陽号が10日午後、平壌を出発、北東の国境地域へ向かって非常に遅い速度で行っているようだ」と述べた。金正恩の1号列車は韓米当局の監視を避けるため、昼間の移動は控え、夜に動くという。平壌からウラジオストックまでは約1200キロで、時速60キロ未満で移動すれば20時間以上かかる。金正恩は遅くとも12日午前に現地に到着するとみられる。金正恩とプーチン大統領がウラジオストックで会うと、4年5カ月ぶりに同都市で再会することになる。
金正恩のロシア訪問は予測されていたことだ。ウクライナ戦争勃発後、韓国の尹錫悦政権が米国の強い圧力に屈服しロシア制裁に参加、キエフ側を支援するやロシアは、韓国に対して北韓カードを使えると何度も警告してきた。特に韓国がキエフ側に砲弾を迂回支援するとロシアは強く反発した。
バイデン大統領と米国のネオコンは、中共と北韓側の核ミサイル脅威にさらされている韓国の弱点を利用、尹錫悦政権をグローバルサウスから遮断、NATOの対ロシア戦争支援に積極的に取り込んだ。
尹大統領は今年4月、訪米のときの「ワシントン宣言」や先月のキャンプデビッドでも「アジアのNATO化」と映る韓米日3国の首脳会談を通じ、ロシアを破滅させようとする米国の戦略に明確に参加した。自国の生存のため米国と対決、NATOを無力化せねばならないロシアとしては、韓国を深刻な脅威と看做すしかない。
韓国がポーランドなど、ロシアに対抗して軍備強化を急ぐ欧州諸国に対して大々的に武器を販売、軍事協力に乗り出すと、ロシアはショイグ国防長官が平壌をソ連邦解体以来、初めて訪問し、停戦協定70周年行事に参加、北側の戦略兵器を見て軍事協力の可能性を打診した。
平壤側は、ウクライナ戦争後にロシアへの支持を表明し続け戦略的地位を強化してきた。韓国への弾道ミサイル攻撃態勢を強化してきた平壤側は、昨年9月、「核武力政策法」を制定、今年3月には戦術核弾頭を公開し韓国の戦略要衝に対する核攻撃態勢を誇示している。
金奎顕国情院長は4日、国会情報委員会での報告で、「北側が南侵時に短期決戦をせねばならないため、戦術核を使うと予想される」と報告した。韓国では核戦争の悪夢が現実化しようとしている。


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