西欧経済とBRICS経済の競争開始

パラダイム変化に適応せねばならない韓国
日付: 2023年08月29日 12時52分

 ヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議(22~24日)は、BRICSの未来を決定する具体的な決定をした。「新世界秩序」を追求せず、UNの決議案と規定に同意し貧困退治とグローバルなGDPの増大のためのG20の計画を支持、グローバル経済問題でG20のリーダーシップを認めると確認した。
BRICSの寄与は新開発銀行と緊急準備金協定だ。新開発銀行(NDB、2015年設立)は世界銀行の競争者としてインフラプロジェクトに大規模の貸付を行える。NDBは融資条件が寛大で途上国を大いに支援できる。緊急準備金協定(CRA)は、流動性危機が発生した加盟国が使用できる共通通貨準備金だ。
世界経済の成長を脅かし、一部の加盟国が制裁を受けている状況で、この予備金は非常に有用だ。今回の首脳会議は、国際貿易及び加盟国間の決済に自国通貨の使用を承認した。NDBは南アフリカとブラジル通貨でも融資を始める予定だ。
米国の制裁を受けたイランは貿易(国際決済)で自由を得た。サウジとUAEの参加はペトロダラー体制(ドル・石油本位制)の終焉を意味する。エチオピアもドル決済体制から解放された。
インド、ブラジル、南アフリカはBRICSが西欧対抗する性格を否定した。BRICSは軍事同盟でもなく、共同防御軍も、軍事訓練もない。だが、西欧はBRICSの反西欧化に恐れを感じる。
ロシアと中国はBRICS拡大を追求、23カ国が正式加入申請したが、24年1月1日付でBRICS正会員国として承認されたのはイラン、サウジ、UAE、エジプト、エチオピア、アルゼンチンの6カ国。BRICSの内紛が露呈、特に、中国の孤立が目立った。
それでもBRICSはますます大きくなる。人口と食糧と資源において圧倒的規模で、北極海航路、ペルシャ湾、紅海、スエズ運河など、世界の要衝を掌握する、もちろん、致命的な弱点もある。
ロシアとインドを除き、BRICS加盟国の大半が国家の総要素生産性(TFP、労働と資本の投入が増えなくてもシステムで発生する生産性)がマイナスだ。経済が成長するには、TFPを必ずプラスに維持せねばならない。マイナスになるとGDPが減る。それで、NDBは加盟国が最も必要な資金を支援できる。貿易(輸出)国の韓国は、韓米日軍事同盟化より、BRICSと関係を深めるべきだ。


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