尹大統領、韓米日首脳会議の成果を国民に報告

「韓米日3カ国協力の新しい時代が幕開け」
日付: 2023年08月21日 13時04分

 尹錫悦 大統領は21日、米国で開かれた韓米日首脳会議の成果について国民に報告した。この日、尹大統領はソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で閣議を主宰し、「3ヵ国首脳会議を機に、韓米日協力の新しい時代が開かれた」と明らかにした。尹大統領は続いて「韓米日3国は包括的協力体系を制度化し強固化した」とし「韓半島域内の協力にとどまっていた韓米日協力をインド・太平洋地域全般の自由、平和、繁栄を構築するのに寄与する汎地域協力体に進化する」と明らかにした。 以下は大統領の発言全文だ。(ソウル=李民晧)


私は1泊4日のキャンプ・デービッド日程を終え、日曜日に帰国しました。キャンプ・デービッドでの3ヵ国首脳会議を機に、韓米日協力の新しい時代が幕開けしました。各種の挑戦要因が絡まっている前例のないグローバル複合危機が我々に新しい次元の対応パラダイムを求めています。
  このような時代的転換期において韓米日3ヵ国は、国際社会の危機を機会に転換させるという責任感を持ち、キャンプ・デービッドに集まりました。
  これまで韓米日対話は持続基盤が弱く、協力のアジェンダも限られました。今回のキャンプ・デービッドにおける韓米日首脳会議は韓米日3ヵ国の包括的協力体制を制度化し、強固なものにしました。
  韓米日3ヵ国の首脳は少なくとも年に1度、集まることにしました。韓半島の域内協力にとどまっていた韓米日協力は、インド・太平洋地域全般の自由、平和、繁栄の構築に寄与する汎地域協力体に進化するでしょう。
  協力の分野も安全保障のみならず、サイバー、経済、先端技術、開発協力、保健、女性、人的交流を網羅する包括的協力体を目指すものになります。自由、人権、法治の普遍的価値を共有する韓米日は韓半島はもとより、インド・太平洋地域、ひいては国際社会の安全保障を構築し、平和の増進に先駆けていくでしょう。
特に、韓米日3ヵ国は北のミサイル情報の早期警報システムを構築し、連合防御軍事訓練を体系的な計画に通り定例的に実施します。また、北政権の核・ミサイル開発の資金源であるサイバー不法活動を監視・遮断することに韓米日が力量を集中させます。
  北の挑発の脅威が高まれば高まるほど、韓米日三角安全保障協力の結晶体の構造は更に強固なものになるでしょう。
こうした三角協力の結晶体の構造は北の挑発の危険を抑え、我々の安全保障をより力強いものにするはずです。
  インド・太平洋地域の自由な航行や通商秩序が保たれるべく、域内の国々の海洋安保の力量拡大を支援し、国際法や規範秩序が尊重されるよう、力を合わせます。
なお、ウクライナの自由の回復や再建に向けた韓米日の支援や連携を強化していきます。今後、韓米日3ヵ国の協力体はAUKUS、QUAD等とともに域内外の平和や繁栄を増進させる強力な協力体として機能し、拡大・発展していくでしょう。我が国民の皆様に体感していただけます3ヶ国の協力の恩恵や利益も更に増大するはずです。
  先端技術力や先進的な産業基盤を持つ韓米日3ヶ国がそれぞれ運用してきたサプライチェーンの早期警報システムを連結し合うと、サプライチェーンの情報や回復力のレベルが画期的に向上するでしょう。
  尿素水品薄問題といった外部からの撹乱要因が発生した場合、迅速な連携による対応が可能となり、半導体、電気自動車、蓄電池の生産に必須な重要鉱物や素材、装置の需給に関する企業の不確実性が大きく減少するものと期待されます。
 AI, 量子コンピューティング、宇宙など国家安全保障に直結する未来核心新興技術の共同開発をはじめ、技術の標準化、流出防止に至るまで、全段階における韓米日3ヶ国の技術安保分野の協力がグローバル先端技術の発展を導くこととなるでしょう。
  我々の企業はゲームチェンジャーとなる核心新興技術確保の競争において有利な立場を先取りし、ライバル企業の不法な技術の奪取の試みにも効果的に対応できるようになりました。
  韓米日3カ国のAI技術の使用に関する国際規範の議論も加速化するでしょう。デジタル時代が人類社会にもたらす便益は増進しつつ、偽情報が自由と民主主義を毀損するAI技術の乱用には積極的に対応して参ります。
  韓米日3カ国の経済協力と人的交流の増進は大韓民国の未来成長動力の確保と良質な高所得雇用創出に大いに貢献するでしょう。理工系の研究人材交流と共に韓米日3ヶ国の青年リーダーたちが集まり、グローバルリーダーシップの能力を開発し、連帯を強化する「韓米日青年サミット」が新設されます。
  来年初旬に釜山にて開催される第1回韓米日青年サミットへの未来のグローバルリーダーを夢見る青年たちの積極的な参加を期待しております。
  今回の韓米日3ヶ国首脳会議をきっかけに3ヶ国開発金融機関間のMOUも締結されました。グローバル中枢国家としての立場にふさわしく開発途上国の経済社会開発に主導的に参加する一方、開発途上国のICT、エネルギー、港湾など、インフラ開発事業に能力を持つ我々企業が参加する機会が大幅に拡大するでしょう。金融、外国為替市場の安定のための3ヶ国間の連携は金融市場の安定と回復力の向上をもたらすでしょう。その結果、我々企業と我々国民が進出できる市場の規模は拡大し、回復力はより一層高まるということです。
韓米日3ヵ国の協力と共通利益の追求は我々だけの排他的なものではありません。普遍的かつ正しいものであります。インド・太平洋地域の全ての国民や人類全体の自由、平和、繁栄に貢献することになるでしょう。それこそが3ヵ国の共通利益に合致するものです。
  韓国、米国、日本の全世界の在外公館との協力の強化を指示する外交部長官の訓令がまもなく出される予定です。これは今後、韓米日3ヵ国の国民の海外での経済・社会活動を効果的に後押しするものです。
この場に同席した国務委員には、韓米日政府の各省庁との意思疏通や協力を緊密に推進するようお願いします。合わせて、各省庁には韓米日協力体制の成果を国民が体感できるよう万全を期すようお願いします。

国民の皆様,
キャンプ・デービッドにおける韓米日3ヵ国の協力体制は、グローバル複合危機や挑戦を機会に変えるために共通のリーダーシップと責任意識を発揮するものであります。我が国民に対する危険は確実に減少し、機会は確実に拡大するでしょう。

 ありがとうございます。

【写真提供=大統領室】尹錫悦大統領 8・21国務会議

 


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