世界で活躍するBTS

人気と実力を兼備
日付: 2023年08月15日 05時09分

歌・ダンスで高いクオリティー

 この10年来、K-POPの代名詞のように大活躍しているのが「防弾少年団(BTS)」だ。彼らが世界中で人気を集める理由を、崔貞児講師は次のように分析する。
1990年代の「ソテジワアイドゥル」がアイドル隆盛の流れを、2000年代の「BOA」や「BIGBANG」が世界進出への流れを、10年代の「PSY」がニューメディア利用による成功の流れを、それぞれ汲むことができたことでBTSの大ヒットにつながったとしている。

■コンテンツの積極利用

16年の楽曲「血、汗、涙(ピッタムヌンムル)」のMVについて、崔講師は「小説のような作りになっている。本当にクオリティーが高い」と話した。
BTSは、精巧な世界観を一連のMVで表現した。彼らの世界観を知るファン「ARMY」たちは動画に対する解釈をYouTubeなどで拡散し、新たなファン獲得のための橋渡しをした。またBTS自体のコンテンツである「RunBTS!」を通じてメンバーそれぞれの個性を周知し、活発なSNSによる意思疎通によってARMYと距離を縮めることに成功した。楽曲「LOVE YOURSELF」のような、メッセージ性の強い歌詞も多く共感を呼んだという。米国市場に進出するための土台づくりは、そのようにして成功裏に形成されたのだと崔講師は分析している。
あらゆるコンテンツを駆使し、練習に次ぐ練習、努力に次ぐ努力で自身らのクオリティーを高めているBTSの活動は、コンテンツの進化と相乗効果をもたらした。李咏勲センター長も、K-POPのクオリティーの高さは徹底的な訓練生制度によるものとみている。

■K-POPの未来

徴兵制のある韓国で、すでに兵役のためグループを離脱しているメンバーもおり、BTSはこれまで同様の活動を行えないことが確定している。この件については、ARMYの間でも不安が広まっているという。
一方で、4世代と呼ばれるコロナ後のK-POPアイドルの間では、言語の壁を超えた活動の多様化が進んでいる。日本人メンバーを中心に構成された「&TEAM」や「NiziU」「INI」のほか、BTSが兄と慕う「HYBE」に所属する李賢が声を提供するAI歌手「MIDNATT」などだ。米国・ドイツ・ベルギー人などで構成されたK―POPグループ「BLACKSWAN」のデビューは、近年のグローバル傾向を体現している。
K-POPのグローバル化で海外のファンが韓国国内より多いばかりか、歌手や作詞・作曲家までが多国籍化している状況だ。BTSの事務所「HYBE」は米国と日本で事務所を設立し、現地で発掘した歌手によるグループ作りを現地の方式で広めているという。
BTSは、世界に通用するダンスと楽曲のレベルのため、国際的な大ヒットを果たすことができた。韓国音楽業界の話題としては、今年6月に世界的音楽コンクールで優勝した声楽家のキム・テハンさんの活躍なども記憶に新しい。予測を上回る未来のK-POPの発展に、ますます期待がかかる。


閉じる