「在日史再考」

都内でシンポ
日付: 2023年07月25日 13時01分

 22日、都内の在日韓人歴史資料館で「在日の歴史を再考する~記憶と記録をみつめて」と題するシンポジウムが開催された。
玄善允・大阪大学経済法科大学アジア研究所客員教授は「ひとりの在日二世が見てきた在日の世界」と題して発表した。自身の生い立ちやフランス語講師として48年教壇に立った経験などから、抑圧性の強い世界の中でも言語の持っている想像力に支えられこれまで生きてこられたと話した。
塚崎昌之・立命館大学コリア研究センター研究員は「写真に見る戦前期在阪朝鮮人の生活史」と題し、多くの写真資料を用いて発表した。最近の若い学生と異なり、塚崎さんはまず資料を集め、読み込んでから書きたいことを書いていくという。精緻なデータベース化にもとづいた資料によって、聴講者には揺るぎない歴史的事実が提供された。戦前期の在日にとって「いかに差別なく大阪で暮らせるか」という課題が何よりも重要であったと塚崎さんは語った。
会場には80人ほどの聴講者が訪れ、販売ブースに並んだ2人の著作を購入して帰る人の姿も見られた。


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