北韓が「対南奇襲攻撃」態勢を誇示

尹大統領夫婦が米戦略核潜入に乗船
日付: 2023年07月25日 12時04分

 韓半島で核対決の緊張が高まりつつある。北側が今月12日、ICBMの火星18型を発射した後、米国は「ワシントン宣言」の実行次元で、ソウルで韓米核協議グループ(NCG)を発足させ、韓国に核戦略資産を展開している。ICBM搭載のオハイオ級米戦略潜水艦が釜山に入港し、尹錫悦大統領が同艦に乗船するや、平壌側は異例の国防相の名義で対南脅しの談話を発表(20日)した。平壌側は、米国の核戦略資産などを狙って、戦術核を投射できる弾道弾や巡航ミサイルの奇襲攻撃訓練を繰り返している。米国は韓米日3国の定例訓練計画を行う意向だ。

 キーウ側の反撃が挫折する中、ウクライナ戦争に集中していた国際社会の視線が中東と東アジアへと移った。NATO首脳会議が終わった直後、尹錫悦大統領はキーウを訪問(15日)し、岸田総理は中東のサウジ、UAE、カタールを訪問(7月16日~19日)した。こういったなか、いつの間にか韓半島での核対決局面が浮上した。
ロシアとの核戦争の可能性を言及していた米国側が、韓半島に戦略核推進潜水艦などを展開しはじめた。韓米核協議グループ(NCG)が18日にソウルで発足し、これを契機にオハイオ級米戦略潜水艦(SSBN)のケンタッキーが42年ぶりに18日から21日の間に釜山に入港した。尹大統領夫婦が同艦に乗船(19日)した。
平壌側は、韓米同盟に反発、対南核奇襲攻撃態勢を誇示している。19日は平壌近くから東海に向けて弾道ミサイル(SRBM)2発を発射した。東へ飛んだ飛行距離(約550キロメートル)を南に向ければ、米戦略核潜水艦が入港中の釜山まで届く距離だ。
北側は、米国のSSBNの韓半島展開は、彼らの核武力政策法により「核兵器使用条件」に該当するとして、22日の未明に再び西海上へ巡航ミサイルを数発発射した。
米国の攻撃用核推進攻撃潜水艦(SSN)アナポリスが24日、済州海軍基地に入港するや、北側は24日の深夜、また弾道ミサイル2発を東海へ向け発射した。韓国合同参戦はこの弾道ミサイルが約400キロメートルを飛行したという。北側が発射した一連のミサイルには戦術核弾頭である「火山31」が装着できることが知られている。
米国は日本上空でBC135S(コブラボール)、RC135U(コンバットセント)など偵察機で北側を監視、日米空軍は連合空軍訓練(20日)をしたと報じた。
このような状況の中で、イライ・ラトナー米国防部インド太平洋安保担当次官補は21日、米国と韓国、日本が「北韓の行動に対する対応次元を超えたもっと定例化された訓練を計画している」と言った。
ラトナー次官補は21日、米ブルッキングズ研究所が「インド太平洋で米国の同盟とパートナーシップ」をテーマとして開催した対談で、韓日米3国の国防協力を紹介し、これを公開した。また、韓日米3国首脳が言及したミサイル早期警報データ共有に関しても現在議論を進めていると明らかにした。
ダニエル・クリテンブリンク米国務省東アジア太平洋担当次官補も、韓日米3者協力が「前例のない水準に拡張された」と評価した。特にこのような3者協力が「韓日間で成し遂げられた歴史的な和解が土台になった」とし「尹錫悦大統領と岸田文雄総理が成し遂げた歴史的な進展を高く評価する」と述べた。
ただ、米国の軍事態勢は安定的ではないことが知られている。現在、米国はイランの脅威を強調しながら中東に強襲上陸部隊を送っている。さらに、アラブ連盟はシリアに不法駐留中の米軍を追い出そうとしている。
米国は2つの方向で同時に軍事的対応することはできない。さらに、ロシアと中国を戦略的に密着させた致命的なミスを撤回しなければならない状況でもある。キッシンジャーの北京訪問もその一環だ。
北側は国防相まで出して「核兵器使用」の可能性に言及しただけに、北側がいわゆる「戦勝節」と主張する27日に停戦協定70周年の大規模の閲兵式とともに核投発能力を誇示する追加挑発をする可能性が高まっている。
韓半島を戦場にした核対決の緊張が高まっている中、韓国の朝野は安保に関心がない。
一方、米国が「戦略資産の持続展開」を約束した「ワシントン宣言」は、北韓核に対する強力な抑制機能を果たすよりは、韓国独自の決定的な抑止力の保有を抑制する側面が、より大きいだけだという批判が依然として続いている。
韓日米首脳は来月18日に米大統領の別荘であるキャンプデビッドで首脳会談を予定している。

 


閉じる