新解釈日本書記「続」応神 幻の大和朝廷 第8回

日付: 2023年07月18日 12時29分

 ところで、多くの書を読み解くうちにスサノオは、前王朝のシンボルであることに気付いた。すなわち、400年前後に成立した沸流百済系大和王朝以前に、山陰海岸に展開されていた新羅系王朝のシンボルとして、スサノオが置かれているということだ。
そのため、スサノオは複数のイメージを包含する存在、つまりアマノヒボコやニギハヤヒなどのイメージと重なりあう存在となっている。牛頭天王とも称されるその実体は、慶尚南道居昌・陜川付近にある牛頭山、すなわち海印寺がある伽耶山が高天原で、その伽耶の地の王族であったのがスサノオということだ。
戦いで負けたのかもしれないのだが、その伽耶の地の王族スサノオが一族郎党を率いて避難した地が倭地であり、意も新たに新しい国づくりに励み、スサノオ王朝を造りあげていったと考えられるのだが、沸流百済系大和王朝の登場によって、スサノオ王朝は潰滅したと考えられ、それに伴ってスサノオの人(神)格も複雑怪奇になったと思われる。

女神アマテラスは藤原不比等らが創作


伊勢神宮といえば毎年、何百万人、何千万人という人が参拝して敬虔な祈りをささげているのだが、それは日本創世の神様として天照大神、あるいは御をつけて天照大御神を信仰しているがためと見られているのだ。アマテラス(天照大神)は、はるか遠い昔から鎮座していて、大王を生み、その後の輝かしい日本国の歴史を築く礎になったと信じて疑わない人が多いと思われる。
しかし、アマテラスを多角的に詳細に考証した結果、女神天照大神は7世紀、古事記と日本書紀が編纂された頃に、藤原不比等らによって創作された人(神)格であることが明らかになっている。さらに驚いたのは、女神天照大神は、男神天照神と置き換えられていることだ。
これについてはアマゾン電子書籍ハンデウン著『小説日本書紀5天の岩屋 男神アマテル(天照)は女神アマテラス(天照大神)に置き換えられた』で述べているので参照願いたい。

女神アマテラスは百済系大和王朝を正当化するために創作された

男神天照神は、天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊という名前で、通称ニギハヤヒ(饒速日)あるいはホアカリ(天火明)と称される人(神)格だったが、そのニギハヤヒは、藤原不比等らによって抹殺された人(神)格ということになり、それはまた驚天動地の新発見であった。


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