非武装地帯をめぐる慰霊の旅

韓国戦争参戦16カ国の学生ら
日付: 2023年07月18日 12時06分

 韓国戦争に参戦した16カ国の大学生約100人が非武装地帯(DMZ)11カ所を巡り、祖先に花を手向けるという催しが行われている。17日から4泊5日の日程で実施中の「2023勿忘草DMZ統一の歩み」だ。主催は北韓人権促進団体の社団法人「忘れな草」(朴宣映理事長)で、行政安全部や国家報勲部などが後援。催しには参戦国の若者に加え、脱北者を含む南北の大学生約100人が加わった。
参戦16カ国の大学生らが南北分断の現場を訪れるのは史上初だ。参加者らはソウル龍山の戦争記念館を出発し臨津閣に到着するまで、韓国戦争の激戦地・抱川と鉄原、漣川、坡州などの中部戦線を歩く。
戦争記念館では参戦国の若者がそれぞれの国の戦死者に献花を行う。東豆川にあるベルギー・ルクセンブルク参戦碑を皮切りに、タイやノルウェー、英国、豪州、フィリピン、米国の参戦碑など中部戦線にある韓国戦争の主な戦績碑を振り返る。「自由を守る戦争」の現場を直視し、その意味を振り返るというものだ。
今回の催しを主導する団長は「勿忘草戦争犯罪調査委員会」のチャ・ドンギル委員長(予備役海兵隊准将)で、副団長は「勿忘草国軍捕虜送還委員会」のチョン・スハン委員長(予備役陸軍少将)が務めた。また、シン・ギョンス予備役陸軍少将(元駐米大使館国防務官)が講師を務め、韓国戦争と南北分断の現況について解説した。
催しの最終日には、6・25戦争中に拉致されたおよそ10万人に及ぶ被害者の問題と解決策を模索すべく、京畿道坡州市の6・25拉致被害者記念館を見学し全日程を終える。
「私を忘れないでください」という花言葉を持つ「忘れな草」は、朴宣映理事長がメインとなって設立した人権団体で、拉致被害者と脱北者の救済運動、北韓人権促進運動などを積極的に展開している。(ソウル=李民晧)

 

 

韓国戦争拉致被害者記念館で被害者家族が携帯電話で犠牲者の顔を撮っている

 


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