「ワシントン宣言」の実体は

北核抑止力を発揮するか
日付: 2023年07月18日 10時59分

 北韓側が12日、ICBMの火星18型を発射した。金与正が韓米に対して警告した直後だった。火星18型は今年の2月8日の閲兵式に初登場、4月13日に初試験発射した固体燃料のICBMだ。驚異的な開発速度だ。北側のICBM技術は頂点に達した。
今回も前回と同じく移動式発射車両(TEL)を利用した「コールドロンチ」方式だった。推力を調節して飛行距離(約1000キロメートル)と頂点高度(約2000キロメートル)を減らして発射した4月とは違って最大出力で発射し、最長飛行時間と最高頂点高度を記録した。正常角度で発射すれば、米国本土どこでも到達できる水準だ。残ったのは再進入と多弾頭技術の完成だけだ。
金正恩は「ニューヨークとワシントンに対する同時奇襲核打撃能力を備えてこそ、米国の拡張抑制を無力化し、米国を交渉に引き出せる」と判断すると見られる。金与正の米偵察機の東海排他的経済水域(EEZ)「侵犯」非難と撃墜脅威もそのような計画の一環だろう。要するに、平壌側が多弾頭のICBMを完成すれば、米国は北韓を先制攻撃しない限り、北核を抑制する方法がないように見える。
この状況で「ワシントン宣言」による韓米核グループ(NCG)の初会議が18日、ソウルで開催される。米国は当初、初会議を7月末に予定したが、急遽18日にした。
韓米両国が焦っていることが分かる。米国はもしかすると、北核に対する韓国の苦境、恐怖を利用、尹錫悦政権に米国の拡張抑止の代価としてウクライナ支援を強いたのだろうか。韓国も独自の核抑止力の決断が避けられなくなった。


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