KBS受信料を分離納付

偏向報道に批判集まる
日付: 2023年07月11日 12時27分

 今年8月から、公共放送KBSとEBSの受信料を電気料金から分離納付する措置が導入される。5日、放送通信審議委員会は上記の内容を盛り込んだ放送法施行令改正案を決議した。これに伴い、1994年から電気料金に合算されてきた受信料の徴収制度は終了することになった。
料金の分離措置は、公共放送に対する国民の不信感が影響を及ぼした。大統領室が行った国民参加型の公開討論でも、参加者の96・5%がKBS受信料の分離徴収に賛成した。
KBSと野党側は「公共放送殺し」「言論弾圧」として反発しているが、世論は主張に背を向けている状態だ。KBSは受信料の分離徴収により年間6900億ウォンに上る受信料収入が1000億ウォン台に減収し、公共放送の機能が弱体化するとしている。
これまでKBSは、左派陣営の論理に従う偏向放送であるとの批判に晒されてきた。尹錫悦政権になっても文在寅前政権のスポークスマンのような報道姿勢を示してきた。
広島で行われた韓日首脳会談の際には、尹大統領が日本国旗だけに敬礼しているかのような映像を流して「親日大統領」のイメージを作り出した。また、アナウンサーは労働組合周辺の立場のみを代弁するかのようなコメントを発信したケースもあった。韓米首脳会談の期間中は、政治関連のラジオ番組出演者のうち野党支持者の割合が与党支持者の7倍に達するなど、偏向報道が後を絶たなかった。
こうした報道姿勢は事実上、公共放送の機能を喪失したことを示している。公共放送は独立した存在だが、営利目的の企業ではないため、国民は経営資金として準租税的に受信料を納付する。公共放送は中立性と客観性の保持、公共の利益を命題とするが、KBSはそうした本来の姿を失ってしまったと言わざるを得ない。
かつてKBSは公共放送として意義のある番組を制作したことがある。83年の「離散家族を探しています」だ。生死さえわからない家族の再会を支援した。全国各地からソウル汝矣島のKBSに情報が集まり、10万952件の申請者のうち1万189件の離散家族再会が実現した。生放送回数は全138回、最高視聴率は78%と、世界の放送史上、類のない記録をたたき出した。
しかし、偏向放送に転じると世論はKBSに対し背を向けた。「民放との違いがわからない」「公共放送でないなら受信料を納付したくない」などの意見が多数だ。今回の措置以降、KBSの受信料納付額は公共放送のあり方を測る世論のバロメーターとなるだろう。
(ソウル=李民晧)


批判をこめてソウル汝矣島のKBS前に掲げられた弔花


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