韓半島の土着化でオンライン講演会

日付: 2023年07月04日 13時10分

 1日、日本東アジア実学研究会の例会の一つ、「土着的近代」研究班の講演会がオンラインで開催された。
在日コリアン2世の邊英浩・都留文科大学教授が「韓国・朝鮮思想~文化の土着的特質」のテーマで発表した。
研究会が重要な命題に据える「土着(性)」について、韓国の代表的な古典の解釈に基づいた視点を邊教授は提示した。
発表では、まず『三国遺事』などが描く檀君神話の世界において、当時の集団が3000人ほどの遊牧民族で白頭山付近に定着するまで東への移動をつき進めたことに注目する。
中国を文化地政学上の中心と考える発想がまだなかった時点での動きの中では、東から上り西へと沈んでいく太陽のモデルが重視されていた点を強調した。後代の朝鮮王朝時代の士大夫には抜け落ちている発想であったという。
結びに、朝鮮時代末期の東学にも通底されている神話的な事例として、『東経大全』の関連個所を提示した。
韓国での儒教のイメージが中国への隷属関係に堕してしまう昨今の理解を新たにするような発表であり、韓半島にさまざまな外来文化が「土着」化していく過程を考察する上で示唆に富む内容であった。


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