国民的画家・李忠燮の生涯

劇団文化座が全国で公演
日付: 2023年06月27日 10時26分

 韓国の国民的画家として敬愛される李仲燮の39年の生涯を描いた劇団文化座の「旅立つ家族」が7月2日まで、東京都豊島区の区立舞台芸術交流センターで上演している。
2014年に初上演し100ステージを超える全国公演を重ねた。今回は新キャストによる凱旋公演となる。原作は韓国演劇界の重鎮、金義卿氏。1991年韓国で初上演された。
李仲燮は日本統治時代の韓半島北部に生まれ、のちに文化学院美術科で絵を学ぶため渡日する。
在学中に山本方子と出会い魅かれ合うが、戦況の逼迫により一人で元山に帰国する。
しかし思いを断ち切れない方子は終戦間近の45年に渡韓し、再会して結婚。方子は李南徳として生まれ変わり、2人の子どもを授かる。
まもなく太平洋戦争は終結するが、半島内は混乱が続き、やがて韓国戦争が勃発。身の危険を感じた仲燮は、芸術と家族を守るため、一人残るという母親に絵を託して元山から脱出。
一家は釜山から済州島にたどり着くが、南徳は健康状態を悪化させ、仲燮を残して子どもたちと日本に帰ることになった。
手紙のやり取りが続くが、仲燮は次第に精神に異常をきたしていく。
東京公演以降は、四国、首都圏、関越、東北、北海道と9月まで全国各地で上演する。

公演「旅立つ家族」から


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