韓国への留学希望者が急増

コロナ終息で高まる機運
日付: 2023年06月27日 10時20分

 コロナ禍が明け、韓国への留学機運が高まっている。政権交代以降、韓国政府は留学生獲得に力を入れており、日本政府の方針とも軸足がそろっている。先ごろ都内で開催された「韓国留学博覧会」には、学生から社会人まで300人を超える希望者が集まった。尹政権が掲げた留学生の受け入れ目標20万人は、今年1月の時点で達成された。キャンペーンを一過性のものにしない継続の意図がうかがわれる。

 都内の駐日韓国文化院で22・23の2日間、「韓国留学博覧会2023 in日本(東京)」が開催された。同じイベントは24・25日に京都でも開催され、東京会場には初日だけで260人を超える留学希望者が訪れた。昨年までのオンライン開催と異なり、会場は希望者で賑わった。

■日本政府の韓国留学展望

コロナ明けの留学を支援する日本政府としての見通しは、岸田総理を議長として開催した教育未来創造会議の場で「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ〈J―MIRAI〉」(今年4月27日の公示、第2次提言)に示されている。
33年までに、外国人留学生の受け入れ40万人、日本人学生の海外留学を50万人に引き上げる計画だという。
韓国との関係について文部科学省高等教育局参事官/留学生交流室・下岡有希子室長は、「多くの実績があり、留学生の相互交流、公共教育の国際化を進めていくうえで重要なパートナーであると認識している」と、22日の開幕式で語った。

■留学博覧会の特徴と期待

会場を訪れたのは高校生や大学生だけでなく、社会人経験を経た中高齢者を含んだ大人や、子どもを韓国に留学させたい保護者など、さまざまな世代だった。大学の学部生や院生は、学校間の協定で交換留学先が決まっている場合もあるが、どういう学科でどういう勉強ができるかという情報収集の場にかわりはない。
今回のイベントのため韓国から参加した大学は27校にのぼる。地域別にみると、江原特別自治道から1校、京畿道から16校(うちソウル特別市が7校)、忠清道から1校、慶尚道から5校、全羅道から2校、釜山広域市から1校、済州特別自治道から1校である。半数近くはソウル近郊の大学だが、地方の大学を紹介する配慮も行き届いていた。
東京韓国教育院・河光民院長は、「韓国の文化を一般的に広く学びたいのであれば、所在地がソウル近郊でない大学を個人的には勧めたい」と話した。実際、大学ごとの説明ブースでは地域による集客の差などなく、希望者は均等にそれぞれの席で説明を受けたという。ただし中でも知名度の高かった梨花女子大学と高麗大学のブースには、やはり多くの希望者が集まった。
各大学から来日したスタッフが韓国留学に関する具体的な相談に乗ってくれるだけでなく、国立国際教育院のブースでは給付型の政府奨学金「GKS」を取得するための審査の基準などを聞くこともできた。韓国留学のための情報提供や配慮は、高い水準に達していたといえる。
今年1月の時点で、韓国に留学する海外の学生数が20万人を超え、尹政権が当初に掲げた目標は達せられた。キャンペーンを一過性のものにしない継続の意図が今回の博覧会でもより鮮明だった。
韓国への留学希望者は、さまざまな大学の教育内容や奨学金など各種の情報を熱心に収集し、学習面や経済面でよりよい条件にアプローチして欲しい。

説明ブースにはさまざまな年代の韓国留学希望者が集まった


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